animeneko さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
将棋の世界の癒しの青春ドラマ
すまんかった、シャフトさん、シャフトはシャフト演出しかできないのかと思っていたら違っていた。こんなすばらしい演出ができるじゃないか。
交通事故で家族を失い孤独となった主人公・桐山零は、中学生でプロ将棋棋士となり一人でアパート暮らしをしていた。将棋で生きていくしかない、と思い詰めていたが、将棋棋士達や川本家の優しい人たちに出会い、触れ合っていくことで少しずつ癒されていくというストーリー。
将棋の事がわからないでも結構おもしろいんじゃないかなこれ。
川本家のパートが少女マンガのようで、将棋部分が少年マンガのようでもあり、将棋棋士達の群像劇みたいでもあるし、桐山零の青春ドラマでもある。
川本家でお料理を作って食べるシーンとかほっこりするよね。飯テロが多いアニメだった。家庭で食べることで心が温まる。
将棋シーンはバトルというよりも、将棋棋士達と主人公との出会いの場みたいな印象だったね。また、群像ドラマとして個々の将棋棋士のドラマもおもしろかった。
風景や背景画はキレイに描かれていて美しかった。このアニメでは物語シリーズで有名となったシャフト風の演出はきわめて抑えめになっている。背景が簡略化されていたり、モブ人物が簡略化されていたりモブが描かれなかったりということがシャフト演出ではよくあったが、この作品ではきちんとモブも描かれていた。せいぜい、人物がゆっくりと振り返るカットぐらいしかない。
3月のライオンの風景や背景は主人公・レイの心の変化を表す、つまり心象風景としてよく使われていたと思う。物語当初は、暗く重い状態だったものが、ストーリーが進むにつれて明るい風景が増えていった。
原作者の羽海野チカ先生の将棋の世界についてとてもとてもくわしく調査・取材して原作マンガを描いている。これに加えてシャフトは将棋の世界について、綿密な取材を行って精密に現実の将棋世界をアニメの世界に再現していた。
新房監督は、このアニメでは描きたかったのは、いろいろな人たちと触れ合うことでレイの精神世界が暗いものから明るいものへと変化していくことではなかったかな。新房監督はこういう青春ドラマが大好きなんだと思う。
ここは感想サイトなので、感想のみにととめるが、制作秘話や原作情報、小ネタ等を集めてブログにしてみた。よかったら読んでみてね
https://bdek3712.hatenablog.com/entry/2021/11/16/185637
物語はほぼ原作通りに作ってて、さらにアニメの動きを付けていたので加点1.0
作画はゆっくりとした動作でもぶれなかった。最高点
声優さんも演技よかった加点1.0
OP/EDも良かった加点1.0
各キャラが良かった。最高点