ウェスタンガール さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
渡辺早季の異常な愛情
-または彼女は如何にして心配するのを止めて“隣人”を愛するようになったか-
これは、SDGsという免罪符を振り回し、博愛という幻想の中で安寧をむさぼる我々に向けられた、悪意に満ちた寓話でありブラックコメディである。
登場するは、かくも短き人類の歴史の中で、共生関係を獲得してきた種族である“いぬ”と“ねこ”、そして“ねずみ”である。
しかしその関係性には、決定的な違いがある。
前者の犬と猫は、人間の生活環境に害悪を及ぼさない限り(ここ大切!)において保護され、繁殖を保証され、寵愛を受けてきた、いわゆる相利共生的存在である。
一方のネズミは、かつては農作物のおこぼれに預かる存在として疎まれ、時代が進んだ今日に至っては実験動物として重宝されているとはいえ、一方通行の関係なのである。
物語が生まれるのである。
稀代の“胸糞”小説である『ドクターラット』の如き毒をはらみながら。