芝生まじりの丘 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
Intelのx86はプロセッサに少年の脳を使っているらしい
テーマは人種間の差異とか戦争の欺瞞とかなのだが、このあたりの扱いは陳腐だし、もっと民衆心理の裏のキモいところを描いて欲しかった。多分特に86の人間が全員品行方正なキャラしか描かれないのはどうも。正直戦場の劣悪な環境で教育された少年兵なんてものはそれこそ薬中アル中の巣窟なイメージがあるし、せっかくたくさん登場人物を出したのだからもっと色々な人を出して良かった。こういう作品を見るとなんだか人種差別の類は簡単になくなるように見える。
この作品の設定上の根幹のオリジナリティは戦略ゲームをやっているつもりでいたら殺される兵士の断末魔が聞こえてきたというところ、指揮官と部隊の間のどうしようもない遮蔽であり、主人公の声から非常に曖昧なイメージだけで全く別世界にいる兵士たちに感情移入しなければいけないというところである。主人公と部隊の対話を耳の通信機でのやりとりのみに絞ったことで逆に想像を掻き立てるという書簡小説のような手法である。