ペガサス さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
国津と天津。
平家物語のテーマは鎮魂と救済である。
この物語を現代に蘇らせることに意義があるとすれば、京アニ事件もそうだが、3.11やコロナ禍を体験した現代人への鎮魂でもあるからだろう。
また放送中にウクライナ戦争が始まった。
時代は変われど世の理不尽さは変わらず、思いを残して亡くなる人がいるのも変わらない。
その背景には国津神(竜宮)=市杵島姫が控えていて、そこには阿弥陀如来という時代や人種を超えて通底する救済の思想がある。
「西のほうに紫雲がたなびいた。空に。室内には香りが満ちはじめた。譬えようもない美しい香りが。異香が。
そして空に音楽が聞こえた。お迎えは来た。女たちもまた。穢土より、浄土へ。」
五色の線は琵琶の音色となり導かれ、西方の空へと揚羽蝶が飛んでゆく。
魂の昇華を描写した美しくも鮮烈なラストシーンは圧巻である。