ウェスタンガール さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
クトリのバラッド
イギリス民謡『スカボローフェア』のルーツ、『エルフィン・ナイト』(妖精の騎士)をモチーフに、哀しくも美しく、凛として、思いやりに満ちた物語が紡がれてゆく。
バラッドは、イギリスなどで伝承されてきた物語や寓意のある歌であり、歴史物語でもある。
そこに歌われるのは武勇伝やロマンス、ときに社会諷刺・政治がテーマとなることもあるが、その内容のほとんどは、必然的に破局が訪れる抒情的な物語詩である。
いわゆるバッドエンドだ。
『エルフィン・ナイト』の歌詞は以下のような内容だ。
妖精の騎士を見初めた少女が、ある夜、召喚の呪文を唱える。
寝室に現れた騎士は、まだ幼さの残る少女を見て、実現不可能な条件「針も糸も使わずにシャツを縫う」を示すことで、少女からの誘いを断ろうとする。
すると少女も、その条件を吞む代わりに、同じくできる筈のない作業「1エーカーの土地を角で耕す」を要求するのだ。
困ったエルフィン・ナイトは、自分には妻と子供がいることを打ち明ける。
そして、すべてを悟った少女は、彼を開放するのである。
最後に少女は言う。
「純潔は守り続けます」
「妖精の騎士 あなたはもう自由よ」と。
(世界の民謡・童謡 worldfolksong.comより)