nyaro さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「虚構推理」というアイデアに振り回された感じですね。
本作は良く考えて話を練っていると思います。ただ、あまり面白くありません。いや、面白いけどそれほどでもと言った方がいいかもしれません。
その理由をあげます。一応推理ものなのでネタバレにしておきますが、読んだからと言って特につまらなくなるわけではありません。
{netabare} さて本作の設定を考えてみましょう。ヒロイン琴子についてです。大金持ち。昔さらわれて知恵の神になった。そして推理力(虚言力)の3つの特徴があります。ここに件と人魚を食べて、不死、未来決定能力、怪物に恐れられる3つの特徴がある九郎と六花。しかも、六花は絵が描けてネットを使って事件を引き起こします。で、もと婚約者の紗希は警察官で事件に介入できる。
人間関係は、九郎と琴子は恋人。紗希は九郎のもと婚約者。九郎と六花は従妹どうし。六花と琴子は知合いで六花は琴子の家に住んでいた。
という感じで、謎をつくる前提条件が複雑すぎます。ネットのうわさが生み出した怪物が人を殺す。虚構の推理でうわさを打ち消し怪物を消す。それだけの話です。虚構の推理というアイデアは良いですが、謎と事件自体は極めてテンプレです。上記の設定を説明しながらだったため13話かけて、本質的に話は1つです。
人間ドラマのパートが何を描きたいのかわかりません。九郎の琴子に対する態度は不快でしかありませんし、そして紗希の以前の婚約者だったという設定があるのでなおさらです。
愛情を結局恐怖が上回ったから別れて正解でした…は、まともな人だと九郎とは付き合えないから、琴子でいいんだ、ということでしょうか。また、琴子の一目惚れというのはまあ許せるとして、それがたまたま異能の持ち主で怪物が恐れる存在だった?で、怪物が原因で婚約者と別れた?うーん…。
恋愛を持ち込みながら、まったく恋愛感情に説得力がありません。性的な話題を散りばめつつ、好きだ好きだと言葉で言っているだけです。
また、六花もどういう人で何がしたいのか全く見えません。
良いところは、キャラとしての琴子が可愛いところもありました。また「虚構の推理」でウワサを打ち消すというアイデアと、アイドルの事件にしたことでネットとの親和性があってここの設定は良かったと思います。{/netabare}
結局本作は、謎と解決法を先に決めて、そこに 人物と設定を散りばめたような話になっているので、人も描けていないし、謎の深さに対して設定が複雑で都合が良すぎます。「虚構推理」というアイデアに振り回された感じですね。
そうそう、実は九郎が好きというのが虚言だったら面白いのになあ、と思いました。