オパマ さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
最後まで物語性を重視して欲しかった。「11話 もう、誰も死なせたくない」改造案件。
「愛って、なんですか?」がキーワードで、その回答を求めてドラマが動くんだけど、実はもう最初から、ヴァイオレットは愛を手に入れてる。
彼女に必要なのは、その抱いている関係性こそが愛なのだと自覚すること。
だからストーリーは明快。
感動するシーンはあるし、実際泣けた。
言うまでもなく絵が非常に美麗。
だからこそ、終盤のアクションは不要に感じる。
心に傷を負った少女が立ち直り成長する話なのだから、最後まで静かな物語であって欲しかった。
エンタメとしてのバランスなのかな。
戦争を描写してるけど、この作品で戦争の悲惨さを語るなら尚更、主人公の戦闘シーンは要らないかな。
設定については、なぜヴァイオレットがあれほど強いのか説明されていない。
幼少期から特殊訓練を受けたのか、遺伝子操作でもされていたのか、最後まで謎で腑に落ちない。
なので、物語評価は3.5。
===追記===
あーでもないこーでもないと、無責任にダメ出しするのってなんだかなぁと思った。
作品を大好きな人からすれば「じゃあどうすれば良かったんだよ」と思われると思う。
なので、私なりに「こうしたらもっと良くなるんじゃないか」を提示してみる。
「11話 もう、誰も死なせたくない」改造案件。
感動的内容になるべきシチュエーションなのに、なぜか泣けない。
不満のあるエピソード。
これの改造案件を挙げてみる。
{netabare}
・ヴァイオレットは兵士からの依頼ではなく、金持ちからの大口案件でたまたま戦場上空を飛行。業務遂行のためさっさと飛び去るべき状況。
・戦場で次々と銃弾に倒れて行く兵士たちを見て歯がゆい思いを滲ませる前席の操縦士。
・操縦士「助けてやりたいが、こいつはただの民間飛行機だ。武装なんかねぇし、銃弾一発で墜落しかねねぇ。くそっ」
・バイオレット「戦場で兵士が死ぬのは当然です」「互いに覚悟のうえで戦場に立っているはずです」「負傷者を救うのは衛生兵の仕事です」「私には関係ありません」冷めた表情。
・操縦士「嬢ちゃん、本気で言ってるのか!?」
・バイオレット「・・・」無表情。
・操縦士「あいつら一人一人にだって帰りを待つ家族がいるんんだ。信じて、愛してる家族がな」
・再び振り向いた操縦士が見たのは、空っぽの後部座席。
若者を救ったのは仕事としてではなく、ヴァイオレットの独断とした方が良い。再び戦争に関わることへの迷いと、救える見込みのある命を救うこととの間で揺れ動く心情が表現できれば良い。仕事の遂行で迷うワケではないこと。
以下、兵士の若者を救い小屋に運び込むまでは本編通り。
・小屋で手当てをする演出を追加。包帯代わりに自身の服を引き裂いて手当するヴァイオレット。その際に剥き出しになった義手を見て、若者の口から「綺麗だ…」
・死にかけ、か細い声で故郷の両親、恋人への想いを口にする若者。内容は本編と同様。
・生きて故郷に帰ろうと元気づけるが、若者はそのまま死亡。
・「私がもう少し早く…」逡巡していたことを後悔し、床を叩く。
・若者の顔を見つめながら、その場でタイピングを始める。
・遺族を訪ねるシーンは本編同様。
遺書を届けたのは業務外、ヴァイオレットの独断。
正式依頼の大口案件は流れて会社に迷惑をかける。{/netabare}
以上。