たんたんたぬき さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
なろうのプロトタイプ
今年はこれで良いかな。理由はVIVYが他の候補だったけど、2期が1年に詰め込まれてるって点。やっぱり長く楽しめる方が良い。代表作の意味を込めて年度代表を選んでるけど、それでもその根底は私も面白かったってのがある。不思議と、年度代表ぐらいの作品は私も見てる。そしてその大半は私も楽しんでる。
オッドタクシーとかげきしょうじょは見てない。オッドタクシーはこれは最初に切った理由が後から少しネタバレ見てしまったのでもろ当たった。これは仕方ない。切った理由こそがこの作品の壺だったから。ランキングとして大きな差もないし、それほど神経質になる順位の差じゃないと思うから特に問題ないと思う。
VIVYの方がむしろ問題。これは最終的に決めてにかけると思ったから。よく考えられた作品で難解なSF設定をなるべく簡素にしてSFを土台にした娯楽作品のコンセプトで作ってあるが、最初はそれでいいが最後のまとめにその薄っぺらさがもろ響いた。最後にAIと人間って部分をまとめるときに、SFとしてのAI部分がまるで面白くなかった。VIVYを尻すぼみと見てる人は私は中々的外れじゃないと思ってる。
その点原作が終わってない無職は卑怯じゃないか?なら原作が大半未完の深夜アニメにおいて、その辺りは今更だなと思う。逆にアニオリの完結ゆえの良さや、昨年のかくしごとのように1クールでまとまった完結した作品は逆にそれを理由に加点してる。完結は基本プラス。それがマイナスになるし、多分個人的じゃない。
小説家になろう作品はいろいろ原作見てるが、これは見てない。そのため明確には言えないが、多分原作より良いと思う。理由は映像。変な形で付加価値がついてる。よく似た作品でかなり中身は違うが付加価値部分が似てると思ったのはエヴァーガーデンがある。物語としての躍動感がはっきり言うとこの作品足りない…。エヴァーガーデンは基本1話完結なのでもっと苦しい。
だが山谷が弱い地味な流れは美麗映像が実は相性が良い。安っぽい映像じゃ扱えない地味な物語を希少価値として勝負できる。映像が美麗でかつ物語にも躍動感があるなら進撃なんてその代表例かと思うが、そういった作品は実際は多少映像がしょぼくてもまあ楽しめる。こういった作品は映像の美麗さが無いと苦しいと思う。
この作品はなろう作品としては多分洗練されてない。その分普通の物語としての部分がふんだんにある。なろう作品として間違いなくこれは冗長だと思う。だがそこが美麗なアニメ映像によって逆に良い点となった。OPがもろそれが出てるが、しっとりとしたジブリっぽさもあるような歌がなかなか似合う。この点は山谷や躍動感じゃない。あくまでなろう作品としては洗練されてない冗長さがあると言うだけで。
この作品は変に期待すると良くない。根底はやっぱりなろう作品に多い転生転移の物語の面白さになってる。だがそれが洗練されてない、そのためなろうっぽくない。なろう嫌いの人はなろうっぽさが気に入らなくて、なろうで長くランキング1位だとして期待してみると、多分それほどじゃない。どっちつかずなのだが、アニメの力の入った映像によってかなり良くなってる。
ジブリが代表的だけど、世界観が持つ空気感が映像によって刺激的になってる。そういう映像には冗長的な地味な物語が生かされる。