ぬるま湯 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ロボ好き具合が尋常じゃなく人生の比重をロボに全振りしちゃってる主人公が世界を振り回すのがおもしろい
ぶっちゃけ「ナイツ&マジック」ってタイトルになんの魅力も感じません。あらすじも特に惹かれるものはありません。でも……とってもおもしろいです!大好きな作品になり原作も買っちゃいました。
物語。ロボット同士の熱い闘いではなく、ロボット同士の熱い闘いが大好きな主人公がロボットのために全力で突き進む話。視聴者がロボットに興味なくても問題なし。変なシリアスとかもなくサクサク話が進む。ロボット愛の過剰ぶりとその主人公に振り回される周りのリアクションが楽しい。
声優。主人公のロボットに対する無邪気な熱意みたいなものが感じられて良かった。
キャラ。とにかくロボット大好きで戦いが終わってボロボロになった機体を見て頬を赤らめて「ふつくしい…」とか言っちゃう主人公。同い年の幼馴染として主人公と訓練したことで主人公程ではないが人並外れた実力を身につけているのにその自覚がない双子の兄妹。自己中で神経質でプライドが高くて扱いにくかったのに{netabare}主人公のロボ熱に巻き込まれて振り回された結果頼もしくなった先輩ディートリヒ。(一番好きなキャラです){/netabare}老いてもなお好奇心旺盛で型破りな王。脳筋でフレンドリーな王族らしさがひとかけらもない王孫。いつでもふんわりと主人公を見守り、{netabare}12歳(13かも?)で騎士団長に任命された{/netabare}というぶっ飛んだ話にも「まあ!よかったわね。」とほほ笑んじゃう母親。何本もの剣を機体に付けて「剣は強い!なら剣をいっぱい持ってる奴が強い!!」とか言っちゃう剣バカなのに闘いは本当に強い敵。主人公とは別のアプローチで革新的な技術を生み出し脅威となる敵の技術者。などなど敵も味方も関係なく魅力的なキャラばかり。
作画。斑鳩カッコイイ。
音楽。OPもEDも明るくて本編に合っている。特にEDは双子妹の無邪気な恋心を歌った曲で可愛らしくてほっこりする。
まとめ。明るく楽しくテンポ良く進むので心地良い。ちょいちょい不穏な空気を出してシリアス展開に向かうのかと思わせといて主人公のロボ熱で吹き飛ばすのが好き。魅力的なキャラも多く、本当に楽しいです。
この作品はアニメ制作者の原作へのリスペクトを感じます。というのも、{netabare}原作にはないのに転生の前と後の両方で主人公の癖であろうセリフや仕草がわざわざ描かれているからです。第1話で転生前の主人公が難題を前に「やっつけ作業にぶっつけ本番ですが、成功させるしかありません(うろ覚え)」とつぶやきながら人差し指で顎をトントンと叩く様子が描かれています。そして第2話で転生後の主人公も難題を前に同じセリフを言います。また考え事をするときに顎をトントンするのもちょいちょい描かれています。声も見た目も違うけど同一人物だということを表現しているのです。こんなの初見では気付きませんでした。こういうアニメオリジナルはただの時間稼ぎのオリジナルストーリーとは全く別の性質のものだと思っています。原作へのリスペクトが無ければ生まれなかったでしょう。{/netabare}こういう作品は面白いです。是非見てほしいです。
また、アニメは原作小説5巻分をギュギュっと詰めた分見どころ満載ですが、その分削られたとこともかなりあるのでアニメが気に入ったら原作も読んでくれると嬉しいです。