nyaro さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ニュータイプの説明をしようとしたんでしょうが…
Zガンダムを一言で説明すると、ニュータイプを説明しようとして自縄自縛になって、最後は自己否定で終わったという感じです。違うところにテーマを求めようとしても、ほとんど見つけられません。ヒューマンドラマはありますが、それはテーマではないですし。
ニュータイプの設定とか実はいろんな話を見ても良くわかりません。超コミュニケーション力。つまり、精神感応…それが宇宙環境での生活によって花開いて、戦いにも応用がききました、ということなんでようか。
そういう訳のわからないテーマを中心に持って来たため、本作は作品そのものを自己否定して終わるしかなかったということでしょう。カミーユはアムロやシャアの上を行く最強のニュータイプとして描かれていました。それが最終回でああなったということは、ニュータイプの未来の可能性を閉ざしています。
本作に登場する、前作で活躍した登場人物が一様に暗いです。彼らは前作最終回でニュータイプの可能性を見せてくれたメンバーです。セイラさん、ひどいですよね。美人ですけど暗すぎです。つまり、ニュータイプは人間を幸せにはしてくれないということです。
見るべきところは37話のダカールの日なんでしょうが、結局シャアの思想は、逆襲のシャアのシャアの言動と若干重なりますが、そこに至るシャアの体験や内面の動きがまったく描かれていない気がします。
というかアムロとの関係、逆シャアとは違いすぎます。ララァに対する想いを考えれば、Zのアムロとシャアは不自然です。
本来、ガンダムと逆シャアの間に描かれるべきは、地球の権力による特権階級の形成およびニュータイプの弾圧だったと思います。
アムロの扱いやティターンズの横暴からしてそういう様子は読み取れなくはないですが。
ストーリー的には、主人公のカミーユの性格が悪すぎるし、フォウとかロザミアとかファとかエマとか女性関係がゴチャゴチャしてて全然感情移入できません。旧ガンダムメンバーはなんか形だけ登場して、アムロとシャアとブライト以外は代替が効きます。
強敵はでますが、まあ、強敵なだけです。最後はハマーン様が出て来たりシロッコが出て来たりでもう滅茶苦茶です。
正直申し上げて、つまらないです。最大のテーマのニュータイプに失敗しているということは、物語に軸がなく、ロボットものをやり散らかしているだけです。
ですので、遠い過去に1回しか見てないです。今回レビュー書くので37話とその他ちょっと見返しましたが、やっぱり合いませんでした。
宇宙世紀ものでZとZZはやっぱり要らないですね。Vも面白いですけど、あれもガンダムである必要があったか…。