でこぽん さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
文学というよりもドロドロした愛憎劇
元々小説では、文学をこよなく愛する天野 遠子(あまの とおこ)が文学をヒントに様々な事件を解決してゆく物語です。
しかし、この劇場版では、文学少女である天野遠子の出番は少なく、ドロドロした愛憎劇となっています。
どうか、この劇場版だけで文学少女の物語を判断しないようにお願いします。
この物語の主人公は井上 心葉(いのうえ このは)。彼は偶然にも文芸部の天野 遠子の奇妙な趣味を目撃してしまいます。
それをきっかけに心葉は遠子から無理やり文芸部に入部させられてしまいます。
そして、遠子の奇妙な趣味の手伝いを毎日するようにと命じられるのです。
昔、心葉は小説を書いていました。でも、ある事件がきっかけで筆を折りました。
そして、そのときの事件はトラウマとして今でも彼の心を苦しめていたのです。
心葉は、偶然がきっかけで、そのときの事件の張本人と再会します。
それからは、ドロドロとした展開へと変わってゆきます。
あまり気持ちの良いものではありません。
この物語の最後で遠子がようやく活躍して解決へと導くのですが、それまでが大変でした。
遠子は、無邪気な美しい女性です。彼女が登場すると、その場の雰囲気が明るくなります。
遠子の出番をもっともっと増やせば、この物語は明るくなったのに…と悔やまれます。
なお、この劇場版を見る前に宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読んでおくと、話の流れが理解しやすいでしょう。
ところで、
「銀河鉄道の夜」には途中で原稿が紛失している部分があります。現代では信じられないことですが、それでも多くの人たちに今でも読み親しまれているのは、きっとみんなが銀河鉄道に憧れているのでしょうね。
でも、終着駅までは乗らないほうが良いですよ。だってそこは…