蟹チャーハン さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:今観てる
才能と才能のぶつかり合い。青い!けどそこがいい
超難関といわれる芸大への現役合格を目指し、絵心に目覚めたばかりの主人公が悩みつつも壁にぶち当たりながらも、成長していく姿を描く青春群像劇。
自分は途中参加、いきなり3話からみはじめたんですが、この3話がすごかった。
美大専門の予備校に通う主人公に対し、主人公も一目おく才能をもつ友人から、「お前、作品の上澄みしか見てないんだな。本質をわかってないだろ」とまあ、そのものズバリのきついきつい一言をもらうんですよね。
絵を学び始めたばかりの主人公ですからね。
そりゃこれまで絵を見て何が良いのかなんて考えたこともないでしょう。
わかりきってるよそんなこと。そう言いたいけど、他の誰でもない、自分がスゴイと思った人から突き付けられた現実、自分がまだ未熟なのだという事実に
、芸大合格への道が果てしなく遠く感じたことでしょう。
まあ、なにが正解なんてないのが芸術だし、道もひとつではない。
才能だってひとそれぞれで、ひとの数ほど才能の違いもあって、アプローチの方法も違うもの。
でも、自分との違い、差異が気になるのも若い証で、言わずにいられないんでしょう。
このあたり、すんごいよくわかります。
身近なところで同じように芸大へ奇跡の現役合格をした友人の女性がいるのですが、彼女は予備校の講師からあなたの実力では現役での合格は無理!ときっぱりと言われてかなり落ち込んでいたんですよね。
それが結果、見事に現役での合格で、あいつは見る目がなかったといまだに怒っていますw
芸術に限らず、小説でも絵でもなんでも、創作物やモノをつくるという行為にゴールはありません。
どれだけ他人に称賛されようと不安にさいなまされ、ときに他人の才能をうらやみ、身も心も削って魂を注ぐことになります。
これから先、彼らの間でどれだけの才能がぶつかり合い、火花を散らし、それぞれが成長していくのか楽しみでしかないです。
相変わらず異世界もの中心の新番組が多い中で、こーいうまじめで、でもやたらめったにおもしろい作品をアニメ化してくれるTBSは貴重な存在かも。