hiyama さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
面白い。けれど黒幕の動機と手法はチープに感じた
ギルバート・ロスの動機…殺人衝動の方ではなく「キースにコードを刻む」という動機とその手法にはチープさを感じずにいられなかった。
憎しみを煽る形ならともかく正当防衛や仲間を守るために撃たせるというのは明確な殺意を伴っているとは言い難い。
結果的に確かにキースはギルバートの思惑通り彼を殺す事になったし、キースは今後この件を思い返すたびに
「ギルバートを撃った理由に憎悪に由来する物があったのでは?」
「仲間を守る事を言い訳に復讐心を満たせると思ってしまったのでは?」
と考え懊悩するかもしれないが、しかし憎悪からの復讐をキースは一度否定している。
その時点でギルバートは敗北していた、にも拘らず無理やり撃たせて「自分を殺した」と思い込んで逝ける死に様には正直滑稽さを覚えてしまった。
フィクションに存在する恐るべき犯罪者、殺人者たちと比較しても彼の所業は非常に悍ましいものであるのに、あの末路はなんというか自己満足に格好良さが付随していないまぬけなものに感じられた。
同じ自己満でもHELLSINGの少佐はあれだけ恰好が良かったのに…。
ただ「コードを刻む」という点が方向性は違えど仲間の存在を内包して生きる黒羽の在り方とキースをリンクさせたかったのかなと、考えると納得できる終わり方でもあった。
グチグチ言ってしまったけれど話は面白かったと思う。
二つの軸で進行する展開を上手く交差させているし、作画クオリティは総じて非常に高い。
キャラクターも良い。RISの面々は皆好きになれる。特にエリックとカエラが魅力的に感じられた。
世界観についての説明などももう少し掘り下げがあっても良かったように思えるが、12話で良くまとまっているし、冗長さが無いと言う点では長所かもしれない。