遊微々 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
その歌は、少女の幸せを願う
告知の時点で私好みな雰囲気が匂っていたので見に行きました。
いやー、面白かったー。
内容としてはAIが人との触れ合いを通して、人のように成長し、学習していくというSF関連ではもう何度目だよというお約束なジャンル。
まあ展開がある程度読めるからこそ、鑑賞途中で不穏な空気を察知したり、逆に「これは大丈夫だな」という安心感を持って作品を見れたりするのでこの辺りは一長一短ですね。
作品自体はミュージカル調な作りでしたね。ちょくちょく歌唱パートが入ってきますが、それが一つのいい演出になっているのであまりクドさは感じません。ミュージカル特有の派手な照明演出とかもAIという設定を上手に利用してあって感心しました。そして何より土屋太鳳の歌が上手い・・・、正直一番驚きました。
さて、この手の作品のありがちな批判として、リアリティの無さというか、現実では「いやそうはならんやろー」という展開が何かと目につきがちですよね。本作にもそういう部分はたくさんあるんですけども、大事なの結局それを超えるだけの感動だったりメッセージを残せるかどうかだと思うんですよ。
そういった点においては、『君の名は。』とか『竜とそばかすの姫』は個人的には失敗していて、前述したような重箱の隅をつつくような批判ばかり出てきちゃうんですよね。
今作においては、メインキャラクターのシオンが最初に受けた「サトミを幸せにする」という願いを8年もの月日をかけて実行しようとしていたという壮大な物語が終盤に明かされることで、最後に二人が交わす言葉が大きな感動となって私の心に響いてきました。
だから細かなツッコミポイントは多々あれど、それは野暮ってもんだなと綺麗に水に流すことができるわけですね。
ただすごくいい作品ではあったんですが、予想を超えるほどまでは行かず。今年のアニメーション映画レベル高いですね。