nyaro さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
古典的なテーマを面白いストーリーにまとめられたと思います。
草薙素子っていつ義体になったんでしたっけ?確か以前は幼児くらいになっていた気が…。
それはさておいてサブタイトルのゴーストペインですね。四肢切断の時とかに起る以前の感覚を錯覚して生じる痛みのことですね。これがなぜ胎児のときに義体化している草薙に生じるかがテーマでした。このストーリーにしたいから、設定を少し工夫したのでしょうか。
今回草薙の義体化の時期に着目したわけですが、エピソードとして語られたことはあっても、それを主題にしたことはなかったと思います。
{netabare} 偽物の記憶の問題と絡めて、本当はそこには無いものをあるように感じた痛みということでしょう。だから、偽物の母親の記憶が消えると、痛みも消えたのでしょう。{/netabare}
1時間程度のアニメとして、起承転結、特に転に意外性があって非常に満足しました。ただ、当然短いアニメですので、謎に面白みはあっても深みはないと思います。深みがあるとすればゴーストペインというタイトルに象徴される草薙のパーソナルな事情への共感ですが…ここについてもまあ、 {netabare} ニセの親の記憶はナデシコのホシノルリちゃん等{/netabare}古典的なストーリーですのでやはり面白くても驚きはありません。
どちらかといえば、{netabare}部屋の中に時折見える自走地雷の姿とか、バトーのセリフとか、カバンの中身とか、写真とか、そういう仕掛け的な伏線を楽しむ感じでしょうか。{/netabare}あと、草薙素子の義体の所有権のところとかSF的発想だなあと感心しました。
アニメです。自走地雷妙にヌメッとした微妙なアンドロイドの質感、IGは得意ですよね。
ただ、今回ロジコマとか電脳世界とかさすがと思う反面、人間の作画が妙にのっぺりというか…あれ?という感じでした。ちょっと最近のアニメを見慣れ過ぎたせいでしょうか。超高クオリティを期待していただけに肩透かしでした。
そうそうロジコマの声優、沢城みゆきさんでしたね。
まあ、冲方丁だけあって、SFアニメとして面白さで言えばさすがでしたが、本家映画やSACのようなアニメ史的にはあまり後世に残るレベルではなかったですね。