ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
日常と非日常の境界
…,等と言われることがある。
しかしそれは人それぞれであり、その境目は非常にあいまいだ。
イヤホンでアニソンを聞いたが最後、すべての景色が異世界となる“痛い”人。
徹夜でウォーキングデッドを観た翌朝、ショッピングセンターですれ違う“お年寄り”にビビる私…、は別として。
色々である。
進学し東京でで暮らすことになった主人公(?)竜ヶ峰帝人は、初めて歩く池袋で、都市伝説の“首なしライダー”に出合う。
本来、都市伝説が衆目にさらされることはない。
しかし、それは真昼間堂々と駆け抜けてゆく。
そう、既にこの池袋という街全体が、非日常の舞台と化していることがわかる。
そこは池袋というグランドホテルである。
そこに集う面々、彼らが繰り広げるドタバタは、ピカレスクロマンとでも言うべき体裁を取りながら、一つの方向性を取り始めるのだ。
そしてそこには、どこまでも偏狭で一方的な人間愛を貫く、ゲームマスター気取りの男の存在が。
折原臨也である。
そして彼には宿敵がいる。
平和島静雄である。
その関係を例えるなら、ジョーカーとバットマン、あるいはレックス・ルーサーとスーパーマンといったところであろうか。
彼らは人を愛する。
非日常の中でもがき苦しみ、そして抗い続ける者を愛するのである。
しかしそれは、彼らが定めたルールに則っている必要がある。
そう、作法が大切なのだ。
日常と非日常、その境界を定めるのは彼等自身でなければならない。
そんな訳で、人としてコントロール出来ない存在であるバットマンを、スーパーマンを、そしてシズちゃんを徹底的に嫌うのである。
そんなこんなで、とても興味深い作品である。
“承”に続くのである。