かがみ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
美少女ゲームの脱構築
様々な要素を1クールに詰め込み過ぎたせいでとりわけ後半が超展開となり放映直後は賛美両論もあったが、その世界観設定自体は決して悪くなく、作画、音楽は今見ても第一級の極めて優れた出来である。本作のひとつの特徴として従来のKey作品をはじめとする美少女ゲーム的な「泣き」と「笑い」の快楽原則構造を脱構築するかのような展開が挙げられる。ある意味で本作のドラマツルギーは美少女ゲームのそれというよりも、むしろ日常系4コマ漫画のそれに近いように思える。それゆえに本作はある種の美少女ゲーム批評的な側面を持っており、また同時に美少女ゲーム的な「セカイ」から日常系的な「つながり」へと遷移したゼロ年代的想像力の総括的な側面をも持ち合わせた作品と言える。