にわか さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
これはラフスケッチでは?
泣けた話もあったので酷評する気はありません。
ただし、世間の評価ほど良い作品には思えませんでした。
以下ネタバレだらけになります。
でも知っていたからといって物語がつまらなくなるわけでもありませんし面倒なので(笑)一つずつ隠したりはしません。
・和奏が音楽科から普通科に移ったエピソードがない
主人公の和奏にイマイチ感情移入できないのがこういう大事な部分が端折られていたり突然意味不明な怒り方をしたり(来夏に急に悪態をつくこのシーンは未だにわけがわからなくて生理だったからと無理矢理自分を納得させました…)するからだと思います。
・非常識な設定たち
①少子化で経営が成り立たないので学校を潰して高層マンションを建造する
生徒が減っていることが描写からは感じられないし、今や私立も助成金がでるし寄付金もあるしクラウドファンディングなんて方法もあり、加えて音楽科という他校が持たない魅力ある学校が経営困難に陥るものなのでしょうか。しかも理事長の独断。たいていの理事長は教育に片足突っ込んでいるのでここまでひどい人はいない…はずです。ましてや高層マンションを建てるとか…横に建てて生徒にすればいいのでは。
②学校がなくなるから文化祭も中止
この決定を下す職員会議とかもはや会議と呼べる代物ではないです。トップダウンなのだとしても反対の声を上げる先生のいない学校はもっと早くに潰れているでしょうね。そして受け入れる保護者…。
③沙羽の体形
騎手のことをろくに調べもしなかったのでしょうか?
あまり上記のような「ただの文句」ともとられがちなレビューは書きたくありませんが、設定が雑だと拒絶反応がでてしまいかねないんですよね。
まあでもこれは全部目をつぶってもいいです。やっぱりあまり評価したくない理由は
本気で作ったように感じられない
からです。合唱の前の劇は必要でしょうか?多分道具を壊してもらうために必要だからあるんでしょうね…。高校生が「将来この経験がきっと役に立つ」なんて思いながら何かに取り組むでしょうか?むしろ後先考えずに我武者羅に立ち向かう姿に、なくしてしまったものを思い出し、心を打たれるように思います。タイトルに書いたように、ラフスケッチばかり並んだ展覧会に来た気分だったんですよね。
素材満点。キャラも男性以外は魅力的で良いと思います。特に来夏はよく作られていたと感じています。丁寧につくりこんでくれたら満点をつけたい作品でした。