螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 1.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
禁書スピンオフでインさんを主役にしてるようなもん
話の時系列は1期でやった入学編から九校戦編、最終回のラストに来訪者編が軽く入っています。
達也の代わりに主人公になった深雪の他、雫やほのか、エイミィなどが本編より掘り下げられたことで、自分はそれなりには楽しめましたがスピンオフアニメとしては失敗作もいいところかと。
禁書スピンオフである超電磁砲のストーリーは本編の設定を踏襲しつつも御坂美琴を軸にし、本編よりも学園都市によりスポットを当てたオリジナルエピソードを展開して世界観にさらなる広がりを与えたのに対し、こちらは本編の焼き直し、しかもカット多数なので劣等生を見ていない人には意味不明でしょうし、見た人は既視感満載で微妙といった具合になっています。
特に入学編に該当する序盤はそれが顕著です。
そもそもの話、司波深雪は禁書でいうインデックスのポジションなので主人公に向いていないんですよね。インデックスは本編にて、主人公である上条さんの隣で主に活躍するのでスピンオフにするのが美琴よりかなり難しいであろうキャラ。そのインデックスを無理に主人公にした末路を体現したのがこの優等生でしょう。
本編だと深雪は常に司波達也の側についていて、置かれている境遇も近い。人間関係も話がある程度進むと似たり寄ったりです。
禁書の上条当麻と御坂美琴はそれぞれ行動範囲や人間関係がまるで違うので、二人のエピソードを追うことで禁書世界にさらなる深みを生み出すことに成功したのですが、深雪と達也の関係では超電磁砲みたいな話を作るのは元からかなり厳しかったと言わざるを得ません。
結局本編同様、取り巻く世界を同じくしている深雪と達也を軸に進めてしまっているので、このアニメは作画が悪くなった劣化版劣等生と呼ばれて遜色ないです。
私としてはせめて雫かほのか辺りに主人公を任せた方が面白かったであろう気がしてなりません。
作画や演出は劣悪。特に目の辺りのバランスが悪く、崩れる時には頻繁に崩れていました。
音楽はいい感じ。bgm、op、ed共に良質です。
一応、本編では活躍が少なかったほのかや雫などのヒロインの出番が増えているので推しがいるなら見る価値はあるかもしれません。
総評して、作画や演出は劣悪、カットも多いので出番の増えたヒロインの活躍に興味がある人以外はあまり見る価値が無いアニメだと思います。