nyaro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
とにかく作品としての出来がいいです。音楽が最高でした。
バカバカしい設定、萌え少女しか出てこない、ストーリーもスポコンの焼き直しと安っぽい友情、なのにメチャメチャ面白い。作品の出来で言えば最高峰です。
バカバカしい事を真面目にやっている感動があります。「道」というものはそもそも冷静に考えれば華道にせよ書道にせよ「何それおいしいの?」という感じです。ですので「戦車道」を照れずに描くことで、違和感を消し去り自然に受け入れられます。
五十鈴のエピソードを見ればその点は制作サイドは意識していたと思います。
そのバカバカしい「戦車道」をストーリーに入れ込むときリアリティ(リアルかはわかりません。現実ではなく現実味)が非常に需要だったと思います。現実にある戦車の描写、性能、コックピットのオペレーション、動き…ここに妥協がなかったのが効果的でした。
西住ちゃんの首のマイクや身体を乗り出して指揮するところ、リアリティ、見た目という点で素晴らしいセンスでした。
ストーリーです。流派=家としての「道」の思想の違いからの逃げ、復活ストーリー、生徒会、友情…それぞれのパーツはテンプレですが、これを融合させて面白い話を作り上げました。決して単純な話には見えません。
「西住流」という設定を置くことで、ストーリーにもキャラにも深みがでました。脚本が上手いんだろうなあと思います。
西住みほのプロフィールやバックボーン、確かな戦闘力が説明でなく話を見ているときに自然にわかってゆきます。このおかげでいつの間にか感情移入できていました。
キャラでは秋山ちゃんですね。このマニアの娘が非常に面白い味を出していました。ヒロインたちを尾行してたり、友達いなかったり、この娘が本当に切ないというか可愛いというか…あとは、アンチョビですが、これは映画の方ですね。
キャラの使い方ではダージリンが早めに西住を認め、解説させたのもうまかったと思います。
サブキャラの中でも目立たない子は、個性付けを見た目と設定だけにして変に物語に絡ませなかったのでストーリーが分かりやすくなりました。
音楽です。全体にいいのですが、各国を代表する音楽がカッコいいアレンジでした。イギリスもアメリカもロシアも本当に各国の雰囲気があって、戦車とよくあっていました。
この音楽のセンスが物語を盛り上げました。そしてなんといっても「戦車道行進曲」です。この音楽が最高でした。ワクワクするというかウキウキするというか…これオリジナルなんですね。元があると思って探したら、びっくりです。雪の中2人で歌いながら偵察するシーンも良かったです。
あと各国といえば、イギリスは紅茶、ロシアはコサック、アメリカはフレンドリー?ベタ過ぎる演出が、苦笑いでなく普通に面白いのは大したものです。
アニメは、作画が奇麗なのは見た通り。女子は可愛いのはもちろんですが、エロを排除したのはノイズがなくて大成功でした。演出では戦車の迫力はあるし、白旗がピコってでる快感が素晴らしかったです。
面として空母の上に学校があるというセンスもいいですね。
ということで、書きだすときりがないくらい良くできたアニメだと思います。地方タイアップやシリーズの連続性なども含め、アニメ史に残る作品の一つだと思います。やっぱり音楽が最高ですね。