「最果てのパラディン(TVアニメ動画)」

総合得点
69.8
感想・評価
314
棚に入れた
992
ランキング
1707
★★★★☆ 3.4 (314)
物語
3.4
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

福松 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:今観てる

矛盾した神→そんなことより人の営み

第一話を視聴しました。原作未読です。
パラディンと言えば、魔法も操る聖剣士といったところでしょうか。

まず注目したのはマリーについてです。
地母神マーテルを信仰する人間であった彼女ですが、どういう事情か死の間際に不死神と契約を交わし、不死となりました。
契約後もマーテルへの帰依は変わらず、主人公のウィルを受け入れてからも日々、マーテルへの祈りを捧げています。
不死神と契約したため、マーテルへの祈りは苦痛を伴うものとなっているにも関わらず、ウィルを育てるための糧としてのパンをマーテルから授かっています。
この世界では神は、上のような矛盾した振る舞いをするようです。

そもそも主要五柱を祭るべき神殿に不死三人組が閉じ込められているかのようですし、更に言えば、人間の赤ちゃんを育てる事を強いられているかのようです。
この辺りの「矛盾した振る舞いをする神々が人間(および元人間)を振り回し、無力な人間が色々と足掻く」という点に着目した物語となれば、なかなかの鬱展開となるかもしれません。
主要五柱と不死神・次元神との関係性、主要五柱は本当に人間の守護者なのか、といった点がちょっぴり気になるところです。

20211024追記
第二話を視聴、この時点での追記は想定していませんでしたが、余りの情報量の多さに堪らず追記します。書き切ることは諦めて、あっさり行きます。
まず、主要五柱は「人間にとっては」守護者であると断言されました。
更に、神の振る舞いを人間が理解することはできないともあり、第一話で感じた事の回答が次々に示されました。
今回はガスに注目させられました。制作側に巧みに振り回されてる感が却って清々しいのですが、余り複雑な話になると付いていけないので程々でお願いしたいですw
次回はブラッド回なのかな、成人を前に果たしてウィルはガスの言葉を本当に「聞かなかったこと」にしてしまうのかに注目したいです。

20211106追記
第四話を視聴、相変わらずの情報量の多さです。理解が追いついていません。
・ウィルを育てると「封印を守る」という不死三人組の執着が消える、というのはどうゆうことなのだろうか。ウィルを旅立たせて、不死三人組は結界を守り続けるじゃいけないのかな。封印を守らないとすごい奴が復活するんじゃなかったっけ。
・スタグネイトとしては不死三人組を食べたいのかな。封印を守る者がいなくなったらすごい奴が復活して、スタグネイトのライバルになっちゃわないかな。
・スタグネイトとウィルが契約するのはそんなに悪い話なのかな。「不死契約=前世のひきこもりの肯定」になるのかな。ひきこもりでもいいやん、他人にどう思われても生き続けたらいいやん、命の輪廻がそれほどに重要なものなのかな。それは命の輪廻を司る神(グレイスフィール?)の価値観でしかないのでは。どの神に帰依するかは個人の選択ですが。
・スタグネイト、弱すぎないかな。他の四人が強すぎるのかな。不死を授けることはできても、自身の戦闘力はイマイチなのかな。
・不死の契約を結ぶ事と死者を蘇生する事は違う事なのでは。骸骨軍団は後者かな。

疑問は尽きませんが、前述の通りの「神の振る舞いを人間が理解することはできない」で片づけると、感情移入がしにくくならないかな。これらが以降の話の壮大な伏線になっていたら物凄い物語になると思います。心優しい原作勢の方がもしおられましたら、ネタバレにならない程度にアシストお願いいたします。

2021-1121追記
第六話を視聴しました。予想以上に面白く、辺境を放浪する感じが良かったです。相変わらず地母神マーテルからパンを貰えてるのも雰囲気で許せちゃいます。
全く人間に会わない状況から話が徐々に動き始めました。第五話までが長いプロローグだったのですね。ということは1クールで終わるわけがないですね。
ウィルの行動原理として、表面的には信仰心だと見せつつも、それなりに計算してるのがなかなか興味深かったです。
キャラの強さとしてはウィルは規格外の強さですが、その圧倒的な強さをどう使うのか、また使わないかで話に深さが出そうで、今後も楽しみになってきました。途中で切らなくて良かったです。
詠唱はラテン語なのでしょうか。詳しい方、居られたら教えてください。
パラディンは神官戦士と呼ばれてましたが、似合ってますね。
苗字をブラッディマリーにしなかったのはちょっと残念でしたw。

2021-1129追記
第七話を視聴しました。普通のアニメだったら、メネルの立ち位置の人物は女性ということになっていたでしょうけど、本作品では男性でした。前話の段階では女性ではないかと疑っていましたが、子供の発言から男性だと確定しました。単なるハーレム物にはしないぞ、というメッセージなのかな、と捉えてしまいました。
物語はテンポよく進み、ゴーストが何故か人間味あふれる演出となっていて少しクスっとします。こうゆうのは良いですね。わざとらしく寒い笑いを作ろうとするのとは天地の差があります。ゴーストの人物背景にも余韻がある点も良かったです。
アンデッドを輪廻の輪に返すというウィルの行動原理はとても判り易かったと思います。
なんやかんや言っても、本レビューの追記回数からして、私はこの作品を結構気に入っているのだと思います。ラストシーンも良かったし、ひとつ手前の帰依のシーンもより良かったです。なかなかの名回だったと思います。
次回第八話は総集編ということで、ちょっと一休みですね。

2021-1213追記、タイトル追加
第八話を視聴しました。
詩人と商人が仲間に(一時的?)加わりました。なかなかに楽しいです。
詩人といえば吟遊詩人、グインサーガのマリウスを思い浮かべますが、アニメで吟遊詩人を描写した作品に出合ったことがなく、なんか嬉しい感じがします。吟遊詩人が登場するアニメをご存じの方、ご教示いただけると幸いです。
詩人の弾き語り、内容も含めてとても良かったと思います。これは大当たり作品を引いたと確信に変わりつつあります。
詩人に比べて地味ですが、商人の方が味があると感じました。
世界情勢も分かってきたし、これは楽しみになりました。

2021-1225追記
第九話を視聴、視聴期限は残り2時間でした。他作品も視聴が追いつかないかも。
OPのメンバーが揃った感じ。前記の「一時的?」は誤りのようです。ちゃんと前回の内容を覚えています。という事はかなり気に入っている証拠です。ホワイトセイルズ、町の描写が凄くきちんとしています。
神殿訪問の流れもいいです。何事かが起こっている事を示した上で神殿長の登場。ウィルの挨拶が丁寧で好感が持てます。神殿長は見かけによらず、まともなことを話しています。うん、もっともだ。ん、本格的な論争になるのかな? 一発で決めるウィル、大したもんだ、という演出がちゃんとしています。ダレる事もないですし良い脚本ですね。これって、大当たりの作品ですね。しかし、神殿長の周囲からの評価が低いのはちょっと不思議です。かなり有能なのに理解されていない人物という意味なのでしょうね。
吟遊詩人、ちっこいw 縮尺だけで笑いを誘います。
ワイバーン襲来。メネルの喝により冷静さを取り戻すウィル。確かにガス爺さんもそう言っていたことを思い出させる良い回顧シーンの入れ方。何度目かの「考えろ」。神殿に落とす、だと? なんじゃなんじゃ? 殿下が顔見せ。これで流れが確定しましたね。この状況でも剣を使わないのがニクイです。まさかの筋肉解決で、三人の教えが生きていることを綺麗に示しました。これで「ワイバーン殺し」の異名が得られましたね。早速呼ばれてるしw(←ダブルミーニング) 王弟殿下ですか。ここでも丁寧な挨拶、くどいけど、でもこれが良いのです。私は肯定派です。さて、事実上の事情聴取で、危機管理として当然の流れに。王弟エセル・バドル。毒の瘴気でワイバーンが凶暴化していたことが判明。ふむふむ、大きな流れも見えてきました。王弟の話ももっともで、立場や人物をきっちりと描いている感じがあります。私費で軍事活動をすることの許認をウィルは王弟に求めます。大胆ですねー。王弟も本気で向き合います。
今後、私も本気で観るのでメモします。ウィルとメネルは良いとして、吟遊詩人がビィ、商人がトニオ、これくらいでしょうか。
ED、赤ちゃんウィルがとても可愛く見えてきました。完全に捕らえられてしまいましたw
気付くのが遅いですが、これは名作になります。

2022-0105追記
第十話を視聴、ついに間に合わなくなり、アマプラに加入しました。みんなも同じパターンなんでしょうか?
前回の私兵を集めることの危険性を説明台詞で出してきましたが、これはちょっと悲しいですね。と思わせておいての大逆転。なるほど、そう繋げたかったのですね、失礼しました。
ウィルの立ち振る舞いや発言が神官ぽくてとても良いです。完全に小説やん。
お、神殿長乱入、遂に来た、「パラディン」 やっとかー。でも、この丁寧さがこの作品の味ですね。とにかく、非常に質の高いやり取りでした。
神殿長の娘さん? 嘘でしょ。奥さんの遺伝ってことかな。ようやくメインヒロイン登場とは、なんという気の長い作品なんでしょうか。おっと、血縁なし、メモメモ。
ちょ、背景で二人は何を話し続けているんだ。これ、絶対楽しい現場でしょw
神殿長の見せ場が来ました。前回の追記内容を補強する材料のようです。ふむふむ。真実だ。ウィルの意見に完全に同意するし、試験にも合格しましたね。
最良?のパーティメンバーも見つかり、チビ、じゃなくてビィとトニオのターンに入ります。手を抜かず、個々の人物を大切に扱っている印象があります。
レイストフ取材w ビィは創作意欲があり、そのための努力を惜しまない人物であることが明示されていますね。
見たこともない立派な叙勲式でした。形式が暗示されており、厳かさもありました。これは大した作品になります。(今更w

2022-0112追記
第十一話を視聴、今更?とかって言わないでくだしあw。リアルでまたもや事案発生、対応のため更に時間的に苦しくなります。もう今期の新作は追えないかもしれません。
私兵軍団ですが、予想より士気が高いし、モラルも高いです。荒くれ者はどこへ? ウィルの徳のなせる業なのでしょうか。
ウィルは若いのに凄すぎですが、真の偉人とは年齢とは無関係だと思いました。
トニオの存在は、作者からのメッセージかなーって。経済なくして、経世済民はない、との。あ、同義反復しちゃったw とにかくリアル志向で行くよ、っていう私へのどストライクなメッセージでした。以前のタイトル追記は珍しく正解なのかもしれません。
いつもの福松クオリティですが、OPの意味がようやく理解できました。しっかり作ってるし曲も好みです。いつも思うのですが、ウィルはいつ、どんな状況で例の剣を抜くのかなぁ。
メモです。娘さんはアンナさん。複数の特任パーティの存在が示唆されていて、なんか滅茶イカツイです。頼りになる印象をちゃんと受けます。荒くれ者見っけ、です。
ビィは私の目には、完全に戦略的兵器(=戦略的楽器)に見えます。敵を増やさず、味方を増やす、最も効果的な武器です。「すべての武器を楽器に」というスローガンは私が日本国内を複数回、長期に旅していた時にアーティストの皆さんから頻繁に聞いたものです。これが平和への究極の道だと思います。ご興味のある方は、このスローガンを検索してみてください。喜納さん以外の検索結果も重要ですので「-喜納庄吉」もありかと思います。あれれ、うまく-機能が動かない、また今度詳細に試してみます。
ガスの追想からの名セリフ、これも刺さりました。
レイストフは軍司令の立ち位置ですね。これは王弟殿下からも警戒されて当然です。が、非常に有能で統率をしっかり取っていることが見て取れます。
生きる目的をくれた存在、うん、とても判ります。もう家族親族がだいぶ減った私にとっては猫です。
それぞれの流儀で死者の尊厳を守る者たち。このような描写をしていたアニメ作品、ぜひご紹介いただきたいです。
ん、罠を仕掛ける相手? 何者? 高度な知能を有する魔獣なんているのかな。それは恐ろしいです。
非常に丁寧なバフシーン。もうレベルが高すぎます。私も昔はバフ役ブラック(?)エルフのアーチャーでフィールドを駆け巡ったものです。
あ! 剣を抜いている! ウィルは油断を反省したのか、すさまじい切り替えの速さでした。戦闘シーンも観やすく、視聴意欲を掻き立てます。
当然、全ての敵を圧倒するも、ウィルはどうしてもこうなってしまいますよね。メネルやみんなの命を救うためだったんだ、誇ってもいいんだよ。自己肯定しろよ・・・。
落ち着け、落ち着いて治療するんだ。魔法は万能ではないという事をひしひしと感じました。もう言葉も出ないです。
キマイラ(キメラでしょうか)は逃亡、メネルは意識不明だが安定。ほっとしました。ウィルが消耗していて、メネルが励ますシーンも少し前にありましたしね。
戦略的な反省、いや、それにとどまらない自省。ウィルは内省的すぎますが、また、それが魅力でもあります。
視聴者の声を代弁するトニオさん、実に構成が良いです。否が応にも、視聴者は「休めよ、それがお前の弱さなんだよ」ってなりますよね。ここでも唸り声です。
真実に気づくウィル、自分の異常なほどの強さ、自らの欲望、グレイスフィールの僕としての再度の誓い。かなり危うさがあり、これが今後の焦点になりそうです。
とにかく凄い作品に出合ってしまったという感情に支配されています。「愛をともしびに変える」ですか、うん、そうだよね。
アンナさんに安直にヒロインさせないのも非常に高評価です。

同日追記、評価確定、お気に入りに追加
当然のように流れで最終第十二話を視聴、アマプラに甘えず、無料視聴派として足掻きたいです。
格好良い導入、テロップの存在に最終回の予感が。テレビ時代は新聞の番組欄に【終】って書かれていたけど、配信だと最終回か否かが判らないのでドキドキして良いと思います。
さて、ウィルがおかしくなってきました。まあ、不安に駆られた視聴者みなさんの予想通りです。メネル、何とか出来るのはお前しかないんだ、頼む。
友達、腐れ縁って私も大事にしています。メネルはそれを実践しています。素晴らしい回収です。当然、福松も泣きます。ウィルは負けを認めることで、過ちを認めた形になります。ひとつ不安が取り除けました。
トニオやレイストフは人生の先輩だなあ。そして金(マネー)は重要です。
そう、戦闘は始まる前に決着をつけるのが正しいのです。マセガキの頃の孫子の兵法、懐かしいです。「戦場に着くまでは補給が、戦場に着いてからは指揮官が勝敗を決する」でしたっけ? 検索はあえて避けますが、某アニメ作品での名言です。負ける時は戦わない、ですね。「尻尾を巻いて逃げ出すさ」とか異常なほど暗記しています。好きなのは「それがどうした!」です。
戦場をこちらで設定するのは重要で、さすがの制作陣(原作?)です。正面から行っていますが、十倍の兵力で包囲して挑むのが一番正しいと孫子は言います。別作品を彷彿とさせますが、あっちは奇策が多かったかな? 更に別作品ですが、トガメ、懐かしいなあ。話飛びすぎw という訳で、実はウィル達は包囲陣を布いていると予想しています。
お偉いさんタイムです。神殿長、さすがの表現方法です。繰り返しになるかもですが、これは日本SF大賞、星雲賞(はい、あのネヴュラ賞の駄洒落ですw)レベルの小説と見た方がいい作品ですね。各賞の受賞作品を眺めましたが、傑作揃いでした。当然ですが。あにこれ的にはエヴァが大賞に入ってるくらいでしょうか。
話を戻します。おっと、逆に待ち伏せされた? 包囲するはずがアカンやんw ハイキング、人類南下などの状況説明その他全てに納得です。「槍にも誉れを」、いい相棒ですね。結局、包囲ではなく、レイストフによる迂回戦術の囮役を二人がした形になったのですが、包囲は半分正解ということでお願いしますw
初めての歌でしょうか、これはビィの作品という体ですね。メネルも良かったですね。
遂にグレイスフィールが信仰の対象に! これはデカいです。
まあ、メネルの言う通りです。ウィルは意外に鈍いですね。これだけの事を成し遂げたのだから、事実上の領主であって、本物の領主になるのも当然と言えるでしょうね。ガス爺さん、ありがとう。
あ! 言った、最後に言ったよね!「人の営み」って!
わーい、タイトル追加、大正解ー!

さて、最終回であることを踏まえて、ようやく検索解禁、二期決定とのこと、おめでとうございます。
戦略目標も明示されましたし、あとは原作者の方のご健康が快癒されることを願うだけです。
何年かかろうが、ぜひとも原作の完結、そして各賞の受賞を目指してほしいです。
心底、応援しています。

追伸。始めの方の話への私が書いた感想は、ちょっと冷たかったですね。こんな素晴らしい作品とは知らなかったのです・・・。

投稿 : 2022/01/12
閲覧 : 683
サンキュー:

20

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