くたあと さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「いないものの相手をするのはよせ。ヤバいんだよソレ」って、こっちちらちら見られながらいわれたら…死ねる
4/7(土)27時からBS11で再放送されます。未見の人はぜひ!!
原作はホラー小説(作:綾辻行人)。「このミステリーがすごい!2010」国内部門3位。単行本全1巻、文庫版上・下巻。文庫は角川文庫と角川スニーカー文庫の2バージョンあり、スニーカー版はいとうのいぢさんのイラスト表紙。コミカライズもされており、こちらは4巻完結。アニメとはけっこう内容が違います。
1998年の架空の地方都市「夜見山市」にある中学校の3年3組を舞台とした、ミステリー風味のがちホラー作品。友情とか恋愛とか、余計な要素を取り払い、潔くホラーに特化した作りになっています。
正統ホラーのストーリー紹介はやっちゃいけない気がするのでパスします。
ホラーは「ひぐらしのなく頃に」以来なかなか当たりに恵まれませんでしたが。ついに!きました。
見所は、ずばりホラーシーンの怖さですな。当然キャラが死にまくる(しかもたいていは残酷に)わけですが、びっくり箱的にいきなりそうなるのではなく、どんどん恐怖感を盛り上げた頂点で「ばーーーーん」ときます。なので「びっくりした」的な感覚ではなく、純粋な恐怖感を味わえます。
また、その場面を盛り上げる脚本・演出は秀逸。BGMやSEも非常に効果的に使われています。
全体的にも、最初はスロースタート、だんだんと加速度が増してゆき、終盤はジェットコースター展開と、いやがおうにも危機感を煽る巧みな構成になっています。
絵的な部分も文句のつけどころがありません(好みはあるでしょうが)。安心のP.A.WORKSクォリティー。
例のごとく富山県のどこかをロケハンしたと思われるリアルな背景は、緻密かつ美麗で、臨場感たっぷり。
いとうのいぢさん原案のキャラ・デザインも繊細かつ美麗で、よく作品に合っています。モブといっていい出番の少ないキャラも一人一人個性的に描かれている上、印象的に演出されています。
しかも驚愕の美形率。特に3年3組の女子は、教師も含めて美少女(美女)しかいねええ!地味子からギャル系まで、それぞれ個性的な美少女。なんという幸せ空間。まさに天国。ついついお気に入りキャラを探してしまいますが、高確率で惨たらしく死ぬかもしれない、という葛藤の地獄展開です。
このアニメにまさかの水着回があるのですが、水着の美少女たちが浜辺で「きゃっきゃうふふ」していても、まったくぶひれません。いつ災厄が始まるかと思うと、はらはらどきどきしっぱなしです。
ホラーでけっこうグロいので万人向けとはいえないのが残念なポイントです。苦手な方にはきついと思います。
また、「ミステリー風味」といってもあくまでメインはホラーなので、謎のすべてが解明されるわけでも、論理的・科学的な説明がされるわけでもありません。
とにかく純粋に娯楽として良質のホラーアニメを楽しみたい方へ、一押しのオススメ作品です。