遥かなる蒼 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
タイポグラフィとのマリアージュ
好きな人から借りっぱなしになって見るタイミングを失っていた化物語のBlu-rayBOX。
仕事中にふとかけた過去のマイベスト「恋愛サーキュレーション」で花澤さんの声に癒されながら、そういう言えばこれは何かの主題歌だったな。。と何気なくが重なって見始めた途端。。
止まらない!
まどマギや巌窟王でもあったビジュアルの演出。
レビューを漁っていると、ここに触れてる方も多く。
ほほう、これが俗にいう シャフ度 というやつなのか・・・と自分が感じた部分を言語化するのに、皆さんのレビューを漁るものの。。。
タイポグラフィについて触れている方はあまりおらず、
自分がWEBデザインの仕事をしているから気になるのかなとか。思ったり。
音楽や作画、キャラや物語についての言語化は皆さんのレビューに頼るとして、フォントについては自分の言葉で残しておこう!!
文字のスピードがとにかく速い。読むのはほぼ無理なスピード。これって、読むというより「感じる」が近い。捉えられそうで、捉えられない。それくらいのニュアンスで掴んでってことなのかな。
旧書体?というのかな、「正確にはあってるか分からないんだけど、なんとなく読める」ような難儀な漢字たち。漢字辞典の「この漢字、実はこういう書き方もあります」って書かれている後ろの、後ろの方に日の目を見た事なさそうな漢字ちゃんを使ってくれてる。なんだか、誰も1人にしないよ、感にほっこり。
そして、読めないし、よく分からないんだけど、何回か見てると、もしかしてこういう意味?と感じてくる。自分ごとに変えると、「分からないけどとにかく前に進もう、やってみよう」と応援されてるみたいで、今日もめでたい女を発機しています。
さらにさらに、なんだかよく分からなければいいんじゃなくて、パッと見た時に「なんだか美しい形をしている」漢字たち。なんで美しいのかは分からないんだけど、形として、うっとりしてしまう。
もしかしてこの漢字たちは吸血鬼要素が入っている怪異の一つで、魅了する力があるのかな。
ここで魅了されて、仕事をサボターーじゅしてレビューをいそいそ書き込んでいるわけですが。
漢字そのもののチョイスもグッド!と熱弁したけど、この子達を際立たせる、フォントが最高かと。
なんだっけあのフォント、確か左隅に毎回書かれていた気がする。いや、素敵。
背景とのコントラストもちょうど良く。縦書き、横書き、字間、アニメーションの中に溶け込む「テキスト」と「パス」の間を行ったり来たりして、物語に溶け込んでくる。映画の字幕の役割が完全に動画レイヤーとテキストレイヤーで役割分担しているものであったら、もう完全にその逆。意味を伝える記号・役割を大きく超えて、
視覚としてのアニメーションと
聴覚としての声の雰囲気と
頭で理解している物語そのもの
ここら全てにビジュアル面の時点で「絡まった状態」でリンクしてくるから
結果この文字が自分の中に入った後、とても気持ちよく昇華される
掛け算があらゆる要素で発火していて、最高のマリアージュに仕上がってる。
「文字」の可能性を大爆発させてるって感じます。
この作品の中にあるテーマ要素をタイポグラフィでも表現している気がして。
早く、化物語について、持ち主と話をしたいなと思ったのでした。
いろいろ感じられて、カーミーサーマありがとう〜♪です!