STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
お馬鹿こそがキャラの魅力
原作は未読。
ギャグ・コメディ作品と言えども、最近は倫理・道徳的に問題ある行動を取るキャラは
叩かれやすい印象がある。
しかし、本作においては二股関係を推し進めていく向井 直也を始め、それに同意して
三人での生活を始める佐木 咲と水瀬 渚、更にそこから直也を奪い取ろうとする星崎 理香など、
他作品だと問題になりそうな行動を取るキャラもあまり批判対象になっていなかった感がある。
この叩かれない要因に関して、一番問題ありだと思われる直也に関しては、二股が世間的に
褒められたことではないと知りつつ、あまりにも堂々と二股を進めていこうとすることや、
自身も相手(咲と渚)も二股生活で幸せになろうとするための行動力や努力の様もその要因の
一つに思える。
この行動力などは直也以外のキャラも凄かったりするが、いずれのキャラもお馬鹿で
あることが、行動力を支える原動力になっているよう。
このキャラの行動がハートフル展開を生み出すこともあるが、その原動力がお馬鹿ゆえ
だったりするので、どうしても笑いを伴った感動だったりする。
この馬鹿であること自体が問題行動に対する許容感を生み出し、作品世界の恋愛関係を
明るい空気感にするなど、キャラが叩かれなかった一番の理由じゃないかと。
直也の二股はしておきながら、三股は拒むという倫理観は一見首を傾げるものだが、
随所随所の発言を見るに、二股自体も直也にとって本来は認められるものではないようで、
精一杯の妥協で取っている行動のようで、それゆえにそれ以上の三股はダメという考えなのかな。
お馬鹿キャラばかりという構図は、それ自体が笑いネタを生み出すと同時に、
シチュエーションやプロット作りに役立ち、更にキャラをより魅力的なものにしている感がある。
そういう意味ではキャラ作りに長けた印象の作品でもありそう。
実際、お馬鹿度がキャラの印象度に比例している感があり、ヒロイン4人の中ではお馬鹿度が
高い咲と理香が他の二人より印象深い。
そして、ダントツで馬鹿キャラである直也がヒロインを上回るインパクトを残している感じ。
2021/10/16
2023/12/10 加筆・修正