ウェスタンガール さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
四月馬鹿
人は齢を重ね嘘が上手くなる。
古典落語の『うそつき弥次郎』の“まくら”ではないが、商売人の愛嬌世辞、軍人の計略、坊主の方便、傾城の手練手管(良い子は知らなくて良い^ ^)ならばまだしも、止むに止まれぬ色々で、墓場まで持って行かねばならぬ業の深いものまである。
子供と大人の狭間である。
足場の定まらぬ中で生まれた葛藤が、性急さを課されたが故の身勝手な優しさに出会う。
見守るは、何よりも仲間の思いを大切に、狂言回しに徹する体育会系“男前な”二人である。
マリアの受胎告知の日である3月25日を新年に、4月1日までを春の祭典として祝っていた16世紀のフランス。
皇帝の命令一下、グレゴリウス暦に変更された時の国民の憤りが、嘘の新年、エイプリルフールの起源であるとも言われている。
新年を境に、“嘘”はリセットされ、人は前を向くのである。
朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。
坊主の方便も満更では無い。