「コードギアス 亡国のアキト 最終章「愛シキモノタチヘ」(アニメ映画)」

総合得点
64.3
感想・評価
241
棚に入れた
1337
ランキング
3899
★★★★☆ 3.5 (241)
物語
3.2
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.5

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nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ヒロイン レイラに萌えられるかどうかでしょうか。

 5話ありますが、シリーズ全体のレビューです。

 本作は、貴族のクーデターの話と、歪んだ愛を持ったギアス能力者の2つの軸から話が構成されています。脚本は良く練られていてつまらなくはないのですが、個人の因縁の話が中心で世界観の広がりといいますか、壮大な感じがありません。

 ただ、個人の話が中心なだけに、キャラに注目し感情移入できると面白く感じられると思います。

 レイラ、つまりヒロインは理想主義者です。それゆえに行動は過激で自己中心的ではあります。自分が率先して戦地に赴むいたり、人を信じすぎるなど危うい面も見せます。イレブンに対しても人道的というより根っからの平等主義なのでしょう、イレブンと対等に接します。
 そういう「危うい理想主義の痛いヒロイン」像が最後まで一貫していました。結局成長はあまりありませんし、主体的に見えて結局状況に翻弄されて、最後は小さな幸せに落ち着いた、みたいな感じです。コードギアスなので超常現象的な話は気になりませんでした。
 このストーリーが受け入れられるかは、キャラに萌えられるかどうかでしょう。
 私は「理想主義」を自ら実践するヒロインとして好感が持てました。どうしても86のレーナちゃんと比較しますが、彼女が初め嫌だったのがこの実践がなかったからです。

 レイラのキャラデザですが、非常に整った造形だし白人系の美少女OKな私としては気に入りましたが、日本人キャラ萌え勢にはちょっと辛いかもしれません(86のレーナちゃんの顔の造形は銀髪とカラコンのコスプレをした日本人です)。
 レイラの髪型と極端なフィッシュテールのスカートが非常にいいのです。新鮮でした。2話の着替えのシーンとかあざといエロさはありました。

 もう一方はアキトの兄ヒュウガの愛の話になりますが、ストーリーは狂った愛情に基づく殺戮なので意味不明で感情移入のしようがないです。
 ですので、正直こちらは私にはわからない感覚、BL的な要素しかない気がします。ギアスの因縁としては筋は通っていて話にはなっているのですが、敵と考えた場合の魅力がどうも感じられませんでした。女子の方ならわかるのでしょうか。

 3人のイレブンたちに関して言えばサブとしてのキャラは良かったと思いますが、まあそれでもサブでしかないですね。1話の残酷さ、2話のレイラに対する行動に対して3話以降の性格が違い過ぎて唐突感がありました。


 あとは、SFとして楽しめるかでいえば、そもそもコードギアスはキャラ萌えアニメなので厳しいですかね。アニメ作品としてのSF設定、ロケットを使う作戦はなかなか面白かったし、司令室の描写もかなり作り込まれていて感心しましたが、それだけではSFとはいえません。

 ロボットモノとしては、ナイトメアに対するKMFのテクノロジーが進み過ぎていたり、相手の敵の主力機が化け物みたいに強くて、正直ランスロット以上に作品のアンバランスな設定になってしまいました。

 アニメとしては、ものすごい奇麗でよい出来だったと言えるでしょう。

 ということで、本作の評価はアキト、ヒュウガのBL要素を抜かせば、レイラに萌えられるか、にかかっていると思います。

投稿 : 2021/10/15
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