ひろたん さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「心が空っぽ」とは「マイナス」?いや、"逆転"すれば「プラス」。そして、"電池"のように充電すればいい。
■ 2021.10.12 1話目視聴時 ■
旧タイトル:ときめきEMPTY
自分がデフォルメロボットの対戦ものを観るのは、「魔神英雄伝ワタル」以来。
この作品、世界観が確立されすぎちゃって突っ込みどころがありません。
登場人物、ロボット、背景(敵)どれも独特、ギャグもベタ。
でも、いずれも物語にうまく調和しています。
それだけ、完成度が高い気がします。
この物語は、主人公が事件をきっかけにロボットの操縦をすることになります。
その操縦席で出会ったのが、ロボットOSの「りん」。
りんは、ヒーローみたいな戦い方に憧れています。
しかし、主人公がチンピラみたいな戦い方をしたから、ときめきEMPTY。
いじけちゃって動かなくなります。とてもカワイイです。
さぁ、ときめきを充電して、いざ戦わん!
童心に超戻ってます・・・。
実は、そんなテーマの作品なんです。
1話目は、とにかく笑えてあっと言う間の30分でした。面白かったです。
このまま盛り上がってくれると嬉しい作品です。
■ 2021.12.29 最終話視聴済 ■
最終話は、とても面白かったです。
[POINT1] オープニングに大注目!
この物語の世界観をぎゅっと凝縮しているので見過ごすのはもったいないです。
日本の上空に突然現れた異次元の裂け目から、もう一つの地球が現れます。
そして、その並行世界の日本からの侵略攻撃が始まります。
侵略軍は、まずガス兵器「幻霧」を打ち込み現行兵器を無効化します。
そして、巨大人型兵器「伽藍」で高高度降下を行い、日本を征服します。
その象徴として国会議事堂が陥落しています。
軍事侵攻が完了すると、次に、文化・思想統制が始まります。
その象徴として、フジテレビとビックサイトが接収されています。
その前では、恐らく関係者が侵略軍によって拘束・連行されていきます。
そして、その侵略軍に抗うために生まれたのがレジスタンスです。
とても濃いオープニングで、これだけでかなりの大作感がでています。
また、一見、オタク文化狙い撃ちのように見えますが実は違います。
実際の戦時下では、敵国の音楽等の文化を禁止することは普通にありました。
オタク文化はあくまでも、心のよりどころである文化の分かりやすい象徴でしょう。
侵略とは、軍事だけではなく、思想をも侵略して完了するのです。
この物語は、侵略に対するレジスタンスのガチなお話です。
ただ、この濃い設定を活かしきれていなかったのは少し残念だったかなと思います。
[POINT2] ロボットに注目!
ロボットには、2つの呼び方があって最初は分かり難かったです。
・伽藍 … 侵略してきた真誅軍の主力巨大人型兵器。
・ガランドール … アラハバキ(レジスタンス)の伽藍を基にした巨大人型兵器。
「がらんどう(伽藍堂)」とは、心が虚しい、空虚感、空っぽを意味する言葉です。
ガランドールとは、文字通り「空っぽ人形」の意味でした。
そして、主人公の心の様を象徴していたものでした。
主人公は、父親の失踪以降、「心が空っぽ」になり流されて生きているだけでした。
しかし、ヒロイン「りん」を始め、アラハバキとの出会いでそれが変わりました。
[POINT3] 心が空っぽとは?
「心が空っぽ」とは、普通に考えると「マイナス」の側面しかありません。
しかし、"逆転"して考えると、「プラス」の側面が見えてきます。
すると、「空っぽ」とは、これからなんでも入れられることを意味します。
それは、ヒロイン達のときめきをすべて受け止めることができるほどです。
つまり、最強の「空っぽ」になれるのです。
「マイナス」側の"逆転"は「プラス」側。
そして、「空っぽ」になったら充電すればよい。
この物語は、まるで"電池"のような発想の面白い作品だったと思います。
オープニングの濃い設定を活かした続編があるなら観てみたい作品です。