nyaro さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
マクロス感がありませんでした。美雲がもったいなさすぎます。
マクロスのメインテーマである3角関係と歌、そしてヴァルキリーの戦闘という要素がすべて弱かったため、満足感が非常に薄かったです。5人組というアイドルユニットにしたのも活かせてなかったし…まあ、マクロスとしては失敗作ですね。
マクロスシリーズの中で一番ヴァルキリーの戦闘がつまらなかったです。可変設定が全然活かせておらず、結局戦いの結果が歌とか巨大兵器とかに左右されすぎて主人公は何のためにいるの?という感じでした。
美雲ですね。美雲の扱いが本当にもったいなかったです。なぜ3角関係に組み込まなかった?そうするとストーリーがそのままシェリルノームとランカになっちゃうからかもしれませんが、美雲は恐らくマクロスシリーズでNo1の造形なのに、最後まで内面が見えなかったと思います。
フレイヤの短命だけど歌を歌いたいという情熱と、美雲の{netabare} 星の歌い手のクローン{/netabare}という運命とか生命の重さとかを感じさせる2人の対比は非常に良かったと思うのですが、この2人をメインヒロイン(3角関係として)にしなかったのが不思議です。
フレイヤの対抗馬としてのミラージュが弱すぎてマクロス的な3角関係のドキドキが非常に弱かったです。初めからフレイヤ一択じゃんという感じです。
歌です。前半のEDといけないボーダーラインは非常にいい歌でしたし、歌姫としての美雲は見ごたえがあったので歌は良かったと思います。ただ、相手が歌を歌うという設定が失敗の原因だった?歌の効果が薄いせいでしょうか。銀河の歌姫感がワルキューレにあまりなかった気がします。
また、歴代のマクロスに比べて代表曲といえる力強い1曲が無かったと思います。愛覚えていますかの壮大な感じも足りませんでした。
壮大といえば、敵の目的が「種族」になっていて宇宙的なスケール感も謎感も不足していました。なので解決したときのカタルシスが弱かったです。
歌にSF的な意味付けをしようとしたのはなかなか面白かったです。ヴァジュラとの関係もあり、そこはストーリーとして興味を持ちました。レディMですよね。Mだとどうしても初代のあの方を思い出してしまいますが、どうなんでしょう。
アニメとしての作画はきれいなんですけどね。宇宙の場面が少ないし、どうも絵が地味というかマクロスや船団の迫力もないし、SF的驚きも少なかったと思います。
歴代のマクロスが満点の出来かといえば、初代とか酷いところもあったので本作がアニメ作品としてつまらないかと言えば、出来は良い方なのでしょう。でも、マクロスシリーズとしてのエッセンスがあまりに弱くて「ああ、マクロスだったなあ」という満足感がありませんでした。