シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
誰の頭上にも青い空はあるんだ。
「あの花」、「ここさけ」に続く超平和バスターズ秩父三部作の
最後を飾る本作。
突然両親を事故で失った姉妹、
姉のあかねと妹のあおいにそれぞれが恋をした新之助(しんの)との
絆を描いた心温まるファンタジーです。
この作品、二人で肩を寄せ合って健気に生きてきたであろう
思いやりのある姉妹が素敵なんです。
かつて幼かった妹のあおいは
あかねの恋人だったしんのにお互いの目にあった
目玉のほくろの存在をこれは大物になれる特別なものなんだ。
「お前は目玉スターだ!!」って言葉に目を輝かせます。
その言葉は、なによりあおいの心に響いたんでしょう!
序盤、かつて一人プロを目指して東京に出て行ったあかねの元恋人の
慎之介が演歌のバックバンドメンバーとして
故郷に帰ってくることから物語は動き出します。
同時期にあおいの前にかつての13年前の高校生
の姿をした生霊?若かりし慎之介(しんの)が突然現れます。
夢破れた31歳の新之助と対照的な
恋に夢に夢中で突き進んでた時のままのしんの。
優しいしんのは
プロに交じって演奏することになったけど、自信を持てない
あおいを全力で応援します。
弱気になるあおいの背中を押し続ける姿勢がカッコいいんだな~。
あかねを想うがあまり自分が姉を縛り付ける存在と思い込んで
東京へ出ていこうとしてたあおい。
中盤、しんのに心惹かれるようになっていたあおいは
姉が慎之介と幸せになって欲しいと願いつつも
好きになってしまった気持ちが止められなくてぐちゃぐちゃな
気持ちになってしまいます。
そしてそんな苦しい気持ちからあかねに当たってしまうシーンは
苦しかった~。
あおいのぶつけられた言葉を言い返すことなく受け止める
その時のあかねの何とも言えない寂しい表情に涙でました・・
舞台本番前に
音楽堂裏の階段でひとりギターを奏でる慎之介
「そこ~に行けば~~
ど~んな夢も~か~なうと~~いうよ~♪」
中々たどり着けないだろう夢への遠い道のりを感じる
ガンダーラの歌詞、何度となく流れますけど胸にきますね。
やってきたあかねと来て以来初めて素直になって語り合う慎之介。
弱気になる慎之介を励まし別れた後、一人声を殺して涙するあかね
の姿。
姉の泣く姿を初めて見たあおいじゃないけど、こんなの見たら
やっぱり泣けちゃいます。
あかねのノート(あおい攻略)をみつけて、
親代わりとなって日々頑張ってきたのを振り返り、思い出すシーンも
あかねの愛を感じて良かったな~。
二人で生きていくことの大変さ、あおいを一番に考えて頑張って
来ただろうあかねの姿を想像するだけで・・・><!
なんて良い子・・。
終盤、しんのと新之助のぶつかり合い。
あおいを含めて3人!?全てがあかねへを大切に想う気持ちをもって
飛び出します。
東京へあかねを送り出せなかった後悔を語るあおい、
そして今度は心からあかねを応援するって言えたその晴れ晴れとした
気持ちがあいみょんの歌にマッチして良い~!!
新之助とあかねを見届けて静かに微笑んで成仏?するしんの。
その横顔はカッコ良かったな。
かがみこんで涙でぐしゃぐしゃな、あおい。
「泣いて、ないしっ!!」
初恋の終わりは切ないけど見上げた青空はタイトル回収ですね。
なんか清々しいラストでした。
役者さんの声も吉沢亮さん、カッコいいだけでなくて
上手くない!?凄い良かったな~。
姉妹の若山詩音さん、吉岡里帆さんも違和感ほとんどなかったと
思います。
あいみょんの曲「空の青さをしるひとよ」「葵」改めて
聴くと良いですね。
エンディングロールはあかね達の幸せな未来を
魅せてくれて、これ劇場だったら席立てないやつですよね~。
結婚式で手を取り合って涙する姉妹の姿は感動~~!
暖かい気持ちになれる素敵な作品でした。