シャベール大佐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
記憶喪失の扱いに都合の良さは感じるけれど、それでもなかなか面白いスポーツアニメ
水球を題材にした、オリジナルのスポーツアニメ。全12話。
物語は、中学のときに強豪校のエースとして全国大会で優勝したが、交通事故で記憶を失い、水球から離れていた主人公・清水みなとが、とあるきっかけから、弱小高校のチームで再び水球を始めることになる、みたいな流れ。記憶喪失という設定がちょっと特殊ですが、序盤から中盤にかけては爽やかな正統派のスポーツ部活ものという感じで、普通に面白かったです。ところが、物語がそろそろ終盤に差し掛かるあたりで、もしかしたら作品が壊れてしまうのではないかと心配になるような、ストーリー上の大きな転換点があって、かなりびっくりしました。ただ、その後も観続けていくと、最終的な着地点は決して悪くなくて、終わってみれば、これはこれでありだったな、と納得できました。作中でも「変化」という言葉がネタになっていましたが、人間は変わる、あるいは、変わることができる、ということがこの作品が伝えたかったことのようで、そういったポジティブな姿勢も気持ち良かったです。
作画は良好。声、音楽も、特に問題なし。キャラは、競泳から転向してきた網浜秀吾、黒人ハーフの猪俣ババヤロ豊、ひ弱で体力のない牛窓善晴など、それぞれちゃんと個性はありましたが、どこかで見たことのあるようなキャラでもありました。その他では、ヒロインの川窪ちぬのキャラデザが綺麗で良かったです。
最後まで観終わって、作中での記憶喪失の扱いには、ちょっと都合が良すぎるという印象は否めませんでしたが、それでも全体としてはなかなか面白い作品でした。途中の展開で「なんだこりゃ」と思ったとしても、できればいちおう最後まで観てほしいな、という気はします。