7でもない さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
日本を見つめている
この作品を見ていて一つ気づいた。なろう作品の多くはファンタジー世界よりも日本の事を想っている。
先にこの作品のレビューを済ませておくと、なろう作品にしては戦闘作画、撮影処理、魔法の演出やエフェクト作画にかなり力が入っていた事や、最初から和風風味を押し出している所から鬼滅の刃っぽい印象を受けた。両方とも主人公CV花江夏樹だし。もしかしたら鬼滅の刃人気を受けてアニメ化が後押しされたのかなとすら邪推した。違うか。
また基本的にはハーレム無双系作品ではあるものの、主人公が女神に虐げられてたり、弱者の亜人族を保護しているせいで適度に苦労したり、逆境であれこれ頭を捻るのは悪くないなと思った。2期も見ようと思う。でも最終話で無理やりシナリオを前倒しして魔族側の英雄がでてきて一瞬主人公が苦戦し焦る所がなかったら見なかったかも。それと主人公のツッコミや独り言は多いから、それが気になる人は辛いかもしれない。
本題に戻ると、この作品ではチョロドラゴンヒロインの巴が真の記憶の中の時代劇に魅了され、その影響で随所に和風テイストが溢れる。1話EDから水戸黄門のテーマが流れたりするのでそれは賢著だ。中世ヨーロッパファンタジー風世界と和風が微妙に混ざらないまま混沌と入り組んだ和洋折衷感がこの作品のテイスト・個性だが、じゃあ逆に特に和風を銘打った作品ではないのになんでなろう世界ではすぐ味噌や刀を作り、主人公が作った街で日本の祭りを導入しようとするのだろう。
なろう作品は中世ヨーロッパファンタジー風世界をベースにしているけど、いつも視線は日本ばっかり見ている気がする。実は異世界の部分にはさほど興味ないのでは?「異世界もの」なのに、異なる部分もしくは中世っぽい世界を描写せず日本ばっかり描いてもなんか違うと言いたい。書いている人が日本人な以上、日本食を求めたり、日本への望郷や憧れがあるのは分かるし、だれて来たところで和風要素を入れるとスパイスになるんだろうけど、それでもその作品世界ならではの世界の空気、異国情緒は描写できるはず。世界描写、例えばノーゲームノーライフ。例えばメイドインアビス、オーバーロード、ログホライズン、サカサマのパテマ、魔法使いの嫁、ハクメイとミコチ、不滅のあなたへ、うたわれるもの、新世界へ、宝石の国、王立宇宙軍オネアミスの翼、幼女戦記、シドニアの騎士、コメットルシファー、鉄コン筋クリート、プリンセス・プリンシパル、アルテ、無職転生、ナウシカを始め宮崎駿監督作品などなど。誤解無いように言っておくと別に和風要素が特別嫌いというわけではない。
前期今期放送中の白い砂のアクアトープでは複雑な文化・歴史を持った沖縄や「がまがま」を設定にする事で、メタ的・心情的にファンタジーと現実=日本が重なった丁度境目にあり、いい塩梅の設定だなと思った。
初見
2021/7