「ぼくはこのまま帰らない (OVA)」

総合得点
60.0
感想・評価
12
棚に入れた
101
ランキング
6050
★★★★☆ 3.2 (12)
物語
3.1
作画
3.2
声優
3.3
音楽
3.2
キャラ
3.3

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takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

帰らない決心をしたのは誰だったか?

この作品の存在、まるで知らなかったのだけれど、
キャッチさんの1人から勧められて視聴した作品。

向田邦子さんが過去に『三角波』という小説を
お書きになっているのだけど、まさにこの物語はそれと同じ展開。

1996年の作品ということで、音楽、ファッション、ヘアスタイル、
登場人物たちの遊び方、どこをとっても90年代だなぁと。
なんとなく懐かしいような気持ちで微笑ましく観ていた。

舞台は大阪。よって全員関西弁。
だからなのかな、関西弁の持つストレートながらやんわりした物言いが
この作品全体の空気感だったように思える。

ジャンルとしてはBLモノだから、苦手意識の高い人には勧めないけれど、
親友関係の男子2人と、そのうちの1人と交際している女子1人、
という3人からなる物語なので、
BL独特のムードはなく、どちらかというと
昔に観たトレンディドラマみたいな感覚だった。
なので案外さらっと観れる人のほうが多いのではないだろうか。

登場人物は、普通の家庭に育った吉成律朗と、その彼女である萌子。
両親の離婚を機に高校を中退し、乱れた生活を送る天藤絢。
律朗と絢は中学校時代からの親友だったが、
あることで自暴自棄になっている絢を放っておけない律朗は、
ある日、絢の気持ちに応え・・・というお話。

BLが苦手な人にもぜひ、ここでちょっと考えてみて欲しい。

愛情と友情の境界線って?と思ったとき、やはりそれは
一線を越えているかどうかが大きいのかもしれないけれど、
一線を越えていなくても愛情は成り立つし、
一線を越えた過ちがあったとしても、成り立つ友情があったりする。
そう考えていくと、「友達」と「親友」というものを比較した場合、
「親友」というのは限りなく愛情のほうに傾いた友情だよなと。
そうは思えないだろうか?

だとしたら、快楽に溺れる肉体関係で繋がっているのではなく、
相手の傷ついた心を癒す行為としての抱擁の延長線上に
結ばれた関係がある彼らを思うと(本当はそのほうが切ないけれど)
これは一線を越えても成り立つ友情だったのかもしれない。

そう思って彼らのラストシーンを観ると、すごく納得できたし、
彼らそれぞれが選んだ道は、とてもせつなかった。

だけど女の子はやっぱり強いね。
吹っ切り方が全然違うものなぁ・・・・
ちなみにエロは少なめです。

それと、この作品のサムネは、リメイクのほうらしく?
僕が観たのだと、律朗のほうはメガネをかけてたんですよね。
メガネの律朗のほうが、イメージ的には合ってたと思うので
ちょっと残念です。

投稿 : 2012/03/31
閲覧 : 668
サンキュー:

10

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