タック二階堂 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
どこまでも気高く美しい林原めぐみ。
詳細は公式でも。
ロシアの宇宙探査船「スプートニク2号」に乗せられ、非業の死を遂げた初の“宇宙犬”ライカ。これを下敷きにしたストーリーで、宇宙探査には“モノ”として扱われる生命体であるべき、という考えのもと、吸血鬼族である「N44」(イリナ)という美少女ヴァンパイアを宇宙へと送り出そうというお話です。
牧野圭祐氏のライトノベルが原作で、小学館『ガガガ文庫』から刊行中の作品になります。制作はアルボアニメーションで、元請け作品として「モンスター娘のお医者さん」がありますね。
=====で、初回視聴後、所感です。
{netabare}
ヒロイン・イリナの声優が林原めぐみさんということぐらいしか印象がなく、正直あまり大きな期待はしていなかった作品です。
が、初回で大きく印象が覆りました。
舞台は、まあ旧ソビエト連邦でしょうね。公式サイトのボタンもロシア語で表示されていますし、キャラの名前もロシアっぽい名前ですので。
とにかく、雰囲気がいいのが好感です。EDのChimaさんの曲もすごく合っています。
そして、やっぱり林原めぐみさんというのは凄いなぁ。口数が多くない吸血鬼の少女を、綾波レイではない演技できっちりと演じています。
すごく好きな雰囲気の作品になりそうな予感がして、僕の中ではダークホースとして急浮上してきた初回でした。もちろん、継続視聴です。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
ぶっちゃけ、イリナの声優が林原めぐみさんでなかったら、この作品の評価は違ったものとなっていたかもしれません。だって、まだ宇宙飛行の訓練やってんだもん。
深夜のスケートシーン、からの湖畔で月へのあこがれを話すイリナ。引き込まれる演技に、さすがとしか言いようがありません。
それでいて、ジャズバーでお酒をひと口飲んで、酔っ払っちゃう可愛らしさ。イリナの一挙手一投足が、すべて魅力的に見えるのが林原めぐみさんの力でしょう。
レジェンドの好演を楽しむという、ちょっと邪道かもしれないけど、そういう魅力のある作品です。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
{netabare}
いや、本音を言えばね、この内容を1週で片付けるんじゃねえよと。
ここを目標に訓練してきたわけでしょ?
宇宙に初めて行った人類として、イリナは切望してきたわけでしょ?
こんなにあっさりと、行って帰ってきましたを1話でやるとか、どういうことよ?
と言いたいのですが、林原めぐみさんの「リコリス料理ショー」にすっかりやられました。いやもう、本当に可愛い。そして、宇宙空間を見ながら呟く演技。若干、綾波レイだったけれども、素晴らしい演技でした。
ホント、再三言っているように、林原めぐみという稀代の名優をキャスティングできたことが、この作品の価値を高めているといっても過言ではないでしょう。
あ、そうそう。ED、Chima「ありふれたいつか」は、今期No.1のEDテーマだと思います。いい曲。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
シナリオの弱さを補って余りある、イリーナ役の林原めぐみさんの演技が光る作品でした。
最終話の演説も、あやうい少女でありながら芯の強さを感じる、鳥肌が立つほどの演技。文句のつけようがない気高くて美しい17歳の少女がそこにいました。
ストーリーは正直、ご都合で退屈ではあったのですが、主役の林原めぐみさんが好演されていたので、全体として引き締まった感じがします。
良くも悪くも、林原めぐみさん頼みの作品だったことは否めないです。
うん、まあ、宇宙進出の競争を大国が繰り広げているというリアル寄りの世界観に、吸血鬼というファンタジーを入れ込んで「差別」というものに対するアンチテーゼを描こうという意図は伝わりました。
確かに、これを肌の色で人種差別というストーリーにすると、本当に見てられないと思うので、オブラートに包むという意味ではファンタジーに振ったのは正解だったのかもしれません。
ひとつ不満を挙げるなら、ラストシーンでは通常ED「ありふれたいつか」をBGMにすべきだったのでは? そうしたら泣けたような気がします。
こういった作品は子どもにこそ見せるべきだと思いますが、いかんせん深夜枠しか確保できないのが残念ですね。
{/netabare}