tag さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
メイドラって夏目友人帳だったんだ?
1期の設定(ドラゴンがメイドで、小林さんはSEサラリーマンと言うなんでもありの無双設定)の妙技から来る、声を出して笑えたり、微笑んだり、幸せになったり、うるっと来たりと言うドラマから、それを維持しつつ、それぞれのキャラの過去、少し訳ありの新ドラゴン、物語の背景となる隠し設定を組み込んだり、少し深くて重たい話題を取り込んだことに驚いた自分。
さて、分かっていたことだが、ドラゴンは強く、長命、世界を変える力を持つ。対して小林さん(及び他のキャラ達)は、まあ普通(そうでない人もいるが)の人々です。
当然、お互いの能力、寿命、存在する目的、過去の異世界での経験、全部、実は違う。この両者(ドラゴンと人間たち)の間には超えられない断絶がある。お互いを理解してもだ。しかし、互いに、興味を持ち、共感し、知りたいと思い、知ってほしいと思う、仲良くしたいというのは結果であって、想いではない、断然を超え、断絶があるからこそ、お互い寄り添いたい、と言うのが本当の意志かと思う。
物語中、主人公ドラゴン娘のお父さんドラゴン(表現が長い!)が、短い一生ではあるが、娘を宜しく頼む、みたいな台詞があった。ふと、夏目友人帳を思い出した。
夏目友人帳の妖と人間の間にも時間という断絶、価値観、目的、全てに埋めようがない断絶がある。主人公とにゃんこ先生(妖です)の関係、様々な妖との関係が、小林さんと様々なドラゴンの関係と相似形を成していることに気が付きました。夏目の寿命も妖と比べ非常に短い、しかし、想いを共有し、お互いを知りたいと思い、互いに幸あれと願う。よく似ている物語だと思った次第です。
話は飛びますが、世の中、断絶と格差の時代と言われています。「親ガチャ」と言う言葉を聞き、愕然としました。それは昔からあった概念かもしれません。でも、機会平等と言う幻想を信じ、未来への願望のほうが大きかったと、私の世代は思います。断絶を「諦め」と捉えるか、それを乗り越える「希望」と捉えるか?諦めてしまえば、、、どうなんでしょう。
この物語だけはないのですが、断絶を乗り越え、いや、だからこそ、乗り越えたいと願う、希望のある物語を強く支持したいという、おじさんの戯言です。
Postscript:
1期とは打って変わり、いやはや、すごい動きの演出、すごい表情(顔芸)の演出が随所にありましたね。ほんどにすごい作画演出能力のスタジオです、京都アニメーションは。これが、これから、世の中の原作者、演出家、脚本家の生涯の願いをかなえるスタジオとして続くことを切にな願います。