テナ さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
変化
事故で記憶喪失になったミナトが再び水球をする物語です。
最初は記憶喪失になったミナトのスポコンアニメかと思いましたし、物語も最初は凄く愉快そうな感じで若干コメデ要素をもありましたが、思ったよりも深かったです。
事故から目覚めた時にミナトは事故から記憶が無かった。
彼は水球の才能溢れる選手でしたが、水球の事を覚えて居なかった。
でも、周りの人は水球の有名プレイヤーだからと彼を持ち上げるけど、彼は記憶がないから水球が何かすら解らない……そんな本人の気も知らず期待されてしまう。
それでも、新しい高校で大切な仲間と出会う水球部なんて殆ど廃部寸前で部長が1人で後はど素人ばかりの弱小部。
それでも、力を合わせて水球を頑張って行くお話。
ここまで、見たら普通にいいスポコンアニメって感じなんだけど、私が面白いと思ったのが、後半に差し掛かると、中学時代の練習を記録したデータを発見し再生すると、記憶を失う前の自分が映っていたのです。
しかしその自分は部員に、凄く酷くて理不尽に振る舞う自分だったのです。
それを見た彼は、自分の過去を見てショックを受ける……
そこで、ヒロイン?かな?
チユに過去の自分がどんな人間なのかを確認すると……それは酷い物でした。
彼女が兄の様に慕っていた男の子(ミナトから見たら先輩)に辛くあたり水球を辞めさせた……それなのに主人公は彼女に告白をしてきて、断ると大会で優勝したらキスをし、出来なければお金を払うと言い出す始末……
うぅ……これは告白ではないなぁ〜って思いました……見ているとなんて言うか、色々と酷いなぁ〜って、自分は水球の才能があるとから我儘に振舞っても許されるって考えてる?
確かにエースってチームの要だしエースの言葉って凄く重いから……
勝ちたいから厳しくすると、競技中に競り負けたから厳しくするでは意味が変わります。
彼のチームは名門で上手い人もいる。
主人公のお見舞いに来てくれた友達は、しっかり関係性を作れていたのでしょうね。
でも、名門だってついて行く事に手一杯って人もいる、それで酷くあたる、結果辞める人が出るってのは、やり過ぎですよね。
辞めるのは自分の意思だし、根性なしだと言われたら仕方ないかもしれないけど、誰かに追い込まれて辞めさせられるのは違うと思います。
それでもエースの言葉って重いし、人間って酷く言われると、自分と上手い人を比べちゃうから、言われた時に実力差を考えたら何も言い返せなくなるし、エースって存在は大きいから、周りもエースと同じ考えなんだって、作らなくてもいい敵を作ってしまう。
そうなった人は1人で抱え込んでしまう。
そして彼は、ルックスにも自信があったのでしょう。
確かにイケメンですよね。
だから、ミナトは告白した時に、振られた事に驚いた。
ショックと言うよりはそっちかな?って思います。
だから、その事実に目を背けて賭けにでた。
お金の力です。
多分、私の想像ですが、彼は約束を果たせなくてもお金は払わなかったと思います。
自分が優勝する事に自信があるから負けはないって思っていただろうし、そんな大金なさそうだし……
負けたら負けたで、約束を切り捨て、勝てたらラッキーレベルの考えだったのかなって(*꒪꒫꒪)
結局、記憶を失った自分が記憶を無くす前の自分を見てショックを受けたって事は、それだけ自分でも酷く写ったのかな?って。
記憶を取り戻す前のミナトって凄く良い人で優しい人でした。
チームメイトの事をしっかり考える事が出来て、水球にも一生懸命で、仲間も増えて毎日楽しそうにしていました。
だから、過去の主人公を見て別人過ぎてビックしました。
そんな、ミナトは再び記憶を無くします。
主人公が事故に合う前の記憶を取り戻し、事故から目覚めた1年間の記憶を失ってしまう。
そのミナトはまるで別人でした。
世の中に記憶喪失に視点を置いたアニメや映画は沢山あります。
例えば、悪である人間が記憶を失い目覚めたら善人の様な人で、記憶を取り戻したら悪に戻るなど。
こうした作品を見た時に私は、それはどちらが本当の自分なんだろう?って考えます。
でも、どんな善人にも必ず悪はあって。
どんな悪人にも必ず善はあって。
人間って、生まれた環境に置かれた立場や周りから影響されて考え方や性格が変わるから、一人一人の考えは違うし性格も違う。
だから、記憶を無くした優しい主人公も記憶を失う前の自己中のミナトも彼に違いはないのかな?って。
ミナトは監督に優しすぎるからエゴイストになれと言われていたので、性格に影響してて本来は優しかった頃の彼が素なのかもしれません。
ただ、記憶を取り戻した主人公は私はあまり好きではありません。
それでも見ていて少し可哀想に思えて来ます。
主人公が目覚めて事故の話をすると、母親の運転する車で事故をした事実を知らされます。
それを知った主人公は母親に「どうしてくれるんだよ!俺の人生!」なんて怒鳴りつけます。
主人公はやり方は間違えていたと思うし、事故はどうしようも無くて気を付けても確率を減らせるだけで0にはならない、どうにもならない事と言えばそれまでだし……
何より、お母さんは1番辛くて、視聴者から見たらお母さんの罪悪感がみえて凄く自分を追い込んでいるのも解りますよね。
だから、普通に聞くと、主人公のセリフって何言ってんだ……となりますが……
彼は、まだ感覚は中学生です。
水球ってやりたい事を頑張ってきた。
決して褒められるような態度ではなかったし、それを報いだと言われたら、仕方ないかもしれない……それでも、将来を期待される選手になるくらい努力して今の実力を手に入れた。
それは多分、誰もが認めた事だと思う。
主人公も言って居ましたが、彼の時間は寝て起きた感覚しかないのです。
主人公には1晩なんです。
1晩で全てが台無しになったのです。
だから、この言葉は仕方ないかなって。
こんな主人公だから、心配はしてませんでしたが、溜め込んでもよくないと思いますし。
そして、主人公が元のチームに戻ろうとするのですが、彼に居場所はありませんでした。
スポーツで1年のブランクってのは致命的で、どのような天才であろうと、たった1年を取り戻すって凄く時間が掛かる事なんですよね。
だから、主人公の居ない1年間って周りは凄く成長します。
しかも中学〜高校って凄く成長しやすい時期だと思うのですよね。
だから、周りは主人公に追い付き追い越していった。
元監督に今の元メンバーの練習見せられて監督の言葉の意味を再認識する。
彼は、才能があったから一目で理解したのでししょう……その後にチームメイトに再会するのですが、主人公は一方的に拒絶する……
その後に、部屋で物を壊して大暴れ(*꒪꒫꒪)
彼はきっと寂しかったし怖かったのだと思いました。
気がついたら、事故で1年間を失っていた。
そして、自分の居場所(チーム)を失っていた。
日本一の栄光を失っていた……
それって凄くさみしいし怖いって思う。
部屋で暴れても何の意味もない……
物を壊しても何も解決しない……
そんな事はわかっているのです…………
お母さんに八つ当たりしたけど、お母さんが悪くないのも解っている。
監督に拒絶され現実を見せられて否定されたのも受け入れるしかないし ……
誰かが悪く無い事も解ってる。
だから、誰もこれ以上責めらられなくて……
自分でも、どうしようもなくて!
これからどうすれば良いかも解らなくて!
不安で不安で仕方なくて……自分だけが取り残された様な世界が寂しくて怖くて……
物に八つ当たりしても何も解決しない!
それでも、暴れないと心が壊れちゃいそうで……不安な気持ち、恐怖、怒り、悲しみ、苦しみ、行き場の無くなった心を何かにぶつけないと自分を守る事が出来ない気がして……
でも、物に当たっても心は晴れなくて……最後は床に蹲って泣くしかない……
それで、チームメイトには人が変わった様に言われて、妹が家族に記憶が戻らなければ良かったのかな?と言われてる場面に偶然出くわす……
主人公からしたら……凄く寂しくなるかな……
今の自分が否定されてる様に聞こえる。
自分は自分なのに……まるで別の自分がその世界にいたような……
自分がそこに居てはダメな人間に思えてくるかもしれませんね。
でも、記憶を無くしていた自分が残してくれた記録映像があった。
新しいチームで一緒にしてきた人達でも一緒に過ごした時間を失うと、初めましてだもんね。
だから、こうしたメッセージを残してくれたら少し前向きになれるかもしれませんね。
チームに合流して、やっぱり偉そうww
言葉使いも悪いし(*꒪꒫꒪)
でも、良いチームなれそうな気はするかなw
チームメイトもあそこまで否定されたら辛いハズだけど、それでもミナトとする事を諦めなかったし、彼が戻って来て皆、受け入れてくれる。
ミナトは水球の腕もかなり落ちてたけど、知識はあるからチームの練習効率は上がるし、一人一人にアドバイスも出来るだろうから総合力は上がるかも。
そして、彼自身の技術もきっと上がるはず。
彼は元日本一でした。
でも、それは天才だからじゃなかった……必至に練習して努力をして実力をつけたら天才の様に上手くなった。
天才が才能を失えば、才能を取り戻せるでしょうか?
でも、彼は努力して得た技術と言う才能を失った。
それなら……努力すればまた取り戻せると私は思いたいです。
その後、10話では少しメンバーの試合に向けての意欲やら決意やらが纏まる感じがしました。
やっとここからチームが動き出した気がします。
そして大会が始まる。
試合の中で彼らは更に成長する。
ミナトかは最初はピリピリしていたけど試合をする中て仲間の活躍や頑張りを見て仲間を信頼していく、名門では彼(エース)中心の戦術でしたが、本来のミナトのスタイルはこっちかも知れないなぁ〜と思います。
初勝利の後にミスや失敗をして「ごめん」と謝る牛窓、そんな彼をミナトは元気づけます。
彼の頑張りをしっかり認めていました。
口は凄く悪くて自分勝手にも見えますが、しっかりチームメイトを見てたんだなぁ〜、成長したなぁ〜って思えたエピソードでした。
最後の試合では白熱しましたね。
後半、ミナトが逆ギレして元に戻ったのかと思ってしましました。
結局作戦みたいだけど……
凄い賭けだなぁ〜ってww
確かに、敵マークを集めるってのはメリットですが、デメリットとして仲間が萎縮しちゃうのよね……ある程度のプレーに自信ある人達なら大丈夫だけど、気分が参ってる人は萎縮して動きが悪くなったりするし、実は強豪チームって1人を警戒する事って殆どなくて相手の実力関係なく多かれ少なかれ全員警戒してるのですよね。
確かに、あの人中心にマークってのはあっても1人1人が敵1人1人を絶対に警戒してるから、案外効果薄かったりします(*꒪꒫꒪)
強いチームも隙はあるけど隙を突かせない、突かせにくい、それも強者が強者である理由の1つです。
で、敵チームのエースのモモ。
彼の様に、誰か試合に入る事でチーム全体のやる気を底上げする人っています。
その人が入る事で士気が上がり、その人中心に一人一人の動きがよくなる。
よくアニメで1人の上手い選手が試合に入り1人で点数を取るキャラがよく居ますが、リアルだと正直、モモの様なチーム全体の士気を上げる選手の方が私は厄介だと思います。
同点だろうが、多少の勝ち越しだろうが、簡単に逆転されたりします(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)
なんでだろ?やっぱりエースに絶対的信頼がありエースにもチームメンバーへの絶対的信頼がある。
だから、安心してそれぞれが自分を出せるのかもしれませんね。
しかし、そんな中、ミナト達は1点を取ります。
試合には負けたけど1点を取る。
この1点って凄く大きい。
負けは負けじゃんって思う人もいるとおもいます。
勝たなければ意味がないなんて人もいると思います。
確かにそうなんですよね。
勝ちに行ってるのだから勝てないと終わりですよね。
でも、この1点は希望です。
勝てなければ試合は終わる。
その大会な終わるし、次も同じ仲間と戦える保証もない。
負けたら悔しい……
じゃ、どうして1点に価値があるのか……
この作品の1点には意味があります。
強豪校から1点を奪う。
それって凄い事です。
部活に出来て、1年も経たないチームに素人が半分以上のチームで内経験者が3人で、エースはブランク持ち……そんなチームが1点を取った。
奇跡でも、偶然でも、1点は1点。
負けても1点は1点です。
取った事実は変わらない。
この1点は自信に繋がると私は思います。
他のチームは取れなかった1点。
だから、次は勝ちたい!
もっと練習して強くなりたい!
この1点をどう受け取るかでチームとして個としてのモチベと成長に繋がると私は思うからです。
勿論、強者から1点を取ったからって満足したら成長は出来ませんが彼らは悔しいと言っていました。
その1点は自信と成長に繋がり、悔しいさは次回へのやる気に繋がる。
いつか彼らが日本一になる1つが来るかもしれない。
最後の車の中のミナトの家族の会話は凄く良かったですね。
素敵な家族だなぁ〜と思いました(◍´꒳`)bᴼᴷ