えたんだーる さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
美大進学を目指す青春群像劇
原作漫画はかみさんに貸してもらって、既刊11巻は読了しています。
第1話視聴時点で、このレビューを書いています。
タイトル『ブルーピリオド』の由来は、パブロ・ピカソの作品制作年代の呼称「青の時代」(1901~1904)に由来すると思われます。
本作中で、画家や作品の評価という文脈でピカソについては作中キャラによってたびたび語られるので、本作品のメインテーマと深く関わっているとは思いますが、特に美術や美術史的な予備知識はなくても楽しめる作品だと思います。
お話としては、普通に大学進学を目指していた矢口八虎(やぐち やとら)が、あるきっかけから絵を描くことに目覚め、美大進学を志すといった感じの導入です。
取りあえず1クール作品だとすると、今後は主に八虎以外のメンバーも含めた美大受験を中心としたストーリーによる青春群像劇が展開してゆくと思われます。
第1話を観た限り、作画についても私はあまり気になりませんでした。また本作にはストーリー上、未成年喫煙・飲酒の場面がありますが、地上波放送があるにも関わらず自主規制的なそれらのシーンの排除はされていませんでした。
原作を損ねずにこれらのシーンを描く判断がされて良かったです。
余談: 地上波テレビ放送で視聴すると、Netflix配信には付いてこない山田五郎の美術解説コーナーが観られます。
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2022.3.3追記:
2021年内に観終わっていたんですが、12月半ばから仕事が怒涛の勢いでレビュー更新もメッセージへの反応もほとんどできず、今頃の更新で申し訳ありません。
原作からの目立ったストーリー改変もなく、作中作である絵もほぼ原作の忠実な再現になっていて、アニメ化のレベルとしてはとても満足のゆく出来だったと思います。
もちろん原作はまだ続いていますが「美大受験」という大きなストーリーの山があったので、とても最終回らしい最終回を迎えました。もちろん続編を作る上でも問題ない終わり方でしたね。
個人的には高校生の頃に一応建築学科も志望していたこともあって芸術の選択科目として美術を履修していたんですが、もちろん藝大や多摩美などをガチで受験する人たちが周りにいたこともあって、少々懐かしさなども感じながら本作を楽しんでいました。
何にせよ絵画に限らず「創作」というものに向き合う上での普遍性をうまくとらえている作品だったと思うので、そこに共感できる人にはとても響いたんじゃないかと思います。
逆に「萌え要素」みたいなのはあんまりないアニメだったかなあ。たとえば桑名さんとか私から見ると可愛いんだけど、深夜アニメの支持層的にどうだったのかは良くわかんないです。
けど、あまりウケるタイプではなかったんじゃないかなあ…?
なお、評価での「作画: 5」は原作の雰囲気の再限度で付けたみたいなところはあって、「ゴリゴリ動く」とか「ヌルヌル動く」とかそういうアニメ的に凄いっていうんじゃないので、そこは割り引いてみてください。