しんちゃん さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
相変わらずの最高クオリティ。ただ、オチが衝撃だけど、残念でもあった
前回は王宮内にいる共和国側の二重スパイをあぶり出して処分(救出?)するという、すべてが水面下で進む静かな話だったけれど、今回は盗まれたケイバーライト爆弾という超危険な武器を誰か分からない敵から奪還するという、スリル・アクション満点のダイナミックな話でした。映画館で見ていて、まさに「手に汗握る」展開の連続。
まあ、すぐ横で爆弾が爆発してガラス+煉瓦の壁が吹き飛んでがれきに埋まったのに、服がところどころ破れたぐらいでほとんど無傷で脱出しちゃうアンジェ・ドロシー・ちせの3人ってどんなヒロイン補正?とか思ったところがないでもなかったけど、そんなご都合展開はどうでもいいと思えるほど、スパイ映画の王道の要素全部入りで、めちゃくちゃ楽しかったです。梶浦さんの劇伴も素晴らしかったし、プリプリ最高。第3章も全力期待。
以下、かなり重大なネタバレなので、本作を見てない人は「絶対に」読まないでほしいです。見た人限定。
{netabare}と、基本的にはベタ褒めモードなんだけど、ちょっと納得いかなかったのは最後のリチャード王子の演出。軽い性格という設定なのはもちろん分かるんだけど、あの重いシーンでプリンセスにへらへらと笑いながら話しかけ、あまつさえ自分が首謀者だと明かしてみせるというのはどうなのかと。もちろん、1章から引かれていた伏線が全部つながった瞬間でもあり、すごい衝撃ではあったのですけれどもね。
あの態度が、プリンセスが自分に対して何もできないだろうという油断からだとしたら、彼女やメアリーの裏にノルマンディー公という「ラスボス」が控えているかもしれないといった可能性を軽んじすぎてはいないか?少なくとも王位継承権第二位のメアリーがまだ生きているということは、彼が次の王になる可能性がまだ100%になったわけではないのだから。まあ、そういう油断から正体を明かしたのだとしたら、これは要するに「死亡フラグ」ということになりますよね?
プリンセスとしては、ここで彼に楯突いたら当然そこには死が待っているわけなので、全力でスパイの本領発揮の「嘘をつく」モードにここから入っていくことになると思うのですが、共和国サイドからすれば王宮内の守旧派(ノルマンディー公)と大陸派(リチャード)が潰し合ってくれればラッキー、なので、チーム白鳩に対しては「両派が共倒れになるように煽れ」みたいな命令を下すことになるでしょう。ということは、プリンセスはその両派の間でコウモリ的な「二重スパイ」を演じさせられることになり、白鳩メンバーは両派の間で飛び交う銃弾の中でプリンセスを守りつつ、一人また一人と殺されていく展開になるのでは?
…などと想像すると、第3章以降はますます陰惨で、かなり胸が痛む展開になるんじゃないかと思いますね。うーむ。スパイだからしょうがないんだけど。チーム白鳩、みんな生き残って平和な世の中にたどり着いてほしいなあ。 {/netabare}