ひろたん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いっしょに旅をすると言うことは
この話は、旅の行商人「クラフト」と狼娘のヒロイン「ホロ」の旅物語です。
舞台は、「為替」取引が生まれたばかりの中世ヨーロッパ風の世界です。
この時代は、玉石混合の貨幣が乱立し、物々交換もまだ残る経済黎明期です。
これを背景に、この作品では「経済」とは何かを楽しく学ぶことができます。
楽しいとは、分かりやすいという意味だけではなく、ラブコメ要素を含みます。
ホロは、お耳ぴくぴく、しっぽふりふりで感情表現するのが可愛いです。
自分のしっぽを大事そうに抱きかかえて寝ている姿は微笑ましいです。
クラフトは、経験を積んで行商人としての自信をつけてきました。
しかし、ホロとの出会いで、それが少しずつ揺らいでいきます。
しまいには、ホロに何度も助けられ、自分の未熟さも知ります。
そして、クラフトは決意するのです。
立派になろう。ホロと対等になろう、そして、一緒に旅をしようと。
旅は、誰かに付いていくだけ、誰かを連れていくだけ、では楽しくはありません。
お互いに、次はどうする?って相談しながらが一番楽しいです。
しかし、それには、対等の関係がないと難しいのです。
クラフトとホロは、物語前半を通じてそんなパートナーになっていきます。
物語は、そんな二人の絆を礎に楽しく時に困難を乗り越えながら進んでいきます。
香辛料貿易が貨幣経済と相まって商業活動の急激な成長につながった時代です。
それだけ香辛料には価値がありましたし、商業の象徴でもあったのでしょう。
香辛料とは、立派で価値のある商人になりたいと思うクラフトのことです。
狼とは、もちろんホロのことに他なりません。
「狼と香辛料」とは、そんな二人のことを表現したタイトルだったんですね!