でこぽん さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
わずか12分の映像に込められた切ない思い
とてもとても切ないアニメです。
でも、人生を振り返る機会がある際に、一度は見たほうが良いアニメだと思います。
わずか12分3秒の時間で、これだけの思いを伝えられた監督さんを尊敬します。
物語は、海面にほんの少しだけ出ている家で老人は一人で暮らしています。
なぜ一人で暮らしているのか…、それはわかりません。
海中には下の階、さらに下の階、そしてさらに下の階…があります。
海面は少しずつ上昇しています。
なぜ海面が少しずつ上昇しているのか…
それは温暖化の影響かもしれません。
もしかしたら、これは私たちの未来なのかもしれません。
特に海抜0メートルの国に住んでいる人たちには、切実な問題です。
少しずつ家が沈んでゆくので、老人も少しずつレンガを積み重ねて、上の階をつくるのです。
ある日、老人はパイプを落とします。
そのパイプを拾うために潜水服に着替えて下の階まで潜ります。
下の階に着くと、そのときに年老いた奥さんと二人で生活していた様子が、鮮やかに思い出されます。
さらに下の階へ潜ると、奥さん、子供夫婦、孫と一緒に生活していた様子が思い出されるのです。
そしてさらに下の階へ潜ると…
人生は積み重ねの連続です。
まるでこの家のように…
一階の場所、つまり海底まで潜ると、老人の幼い頃の思い出が…
私達は、いつかは年老いて亡くなります。
楽しい思い出を残すためにも、毎年一度は家族一緒の写真を撮ることを、お勧めします。