nyaro さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いろんな視点で亜人ちゃんを描けていました。あと小鳥遊問題です。
視点・テーマが3つありました。1つ目は亜人のそれぞれの性質についての考察があります。次が、亜人の生活上の苦労とか注意点。そしてもう1つが亜人と人間のかかわり方です。
なお、メインヒロイン3名+先生の4人が亜人です。この4人は皆キャラデザが可愛いです。特にひかりちゃんはメチャメチャいい造形をしていました。明るく爽やかな感じに癒されました。雪女ちゃんは可愛いですがちょっと華がありませんでした。
1つ目の性質についてです。例えばメインヒロインのひかりちゃんとの会話やエピソードで、吸血鬼の性質として、吸血、ニンニク、日光、鏡に映るかなどの考察が可愛く、ちょっとギャグっぽく話が進みます。
雪女の伝承に基づく考察とか、デュラハンの頭と胴がどうやってつながっているかの物理的考察とか。ヒロイン3名の設定を活かしてかなり興味深い話になっていました。
サキュバスの先生は、催淫の考察はあまり深掘りはなかったと思います。
それから2つ目、生活については結構面白かったです。吸血鬼の冷蔵庫の中身とか、デュラハンが頭を持ち歩くことの生活上の苦労とか。サキュバスの先生はこっちの生活上の注意が面白かったです。服装はダサイジャージにしなきゃとか、人から離れて住むとか。痴漢冤罪などの話もあって、亜人の生活上の苦労の話が面白いエピソードになっていました。
で、3つ目の異質な亜人と人の関わり方ですね。ここは普通の学園ストーリーの範囲をでなかったかなあと。エピソードはそれぞれ工夫していますが、中心になる主役の男の先生の振舞や言動がどうしてもテンプレになります。
これは「メイドラゴン」でも感じたのですが、異種族の偏見や対立の中間に立って融合のストーリーを回す人物はどうしても「善人」になってしまう事ですね。
彼が亜人の女性たちに好かれながら、相談役になって物語の中心になりますが、一番「作られたキャラ感」がありました。登場時は多少の悪意というか目的がありましたが、やっぱりこういう話だと、テンプレ善人にならざるを得ないみたいですね。ここが残念でした。サキュバスの先生に対する性欲の問題ももうちょっとだらしないストーリーにしてよかったのでは?
ということで、全体的には面白かったですが、多分一番盛り込みたかったであろう、亜人と人間の問題がちょっと浅く終わったなあという感じでした。
作画はものすごく良かったです。ひかりちゃんのポーズがいちいち可愛いのはかなりのこだわりを感じました。
なお、「小鳥遊」(たかなし)という苗字はいい加減、クリエーターのレベルが知れてしまうので止めて欲しいです。ずーっと昔に難読の苗字で知られて以降、あまりに多すぎでしょう。ラノベその他一般小説含めるとどれだけいるかわかりません。
実際はごく少数の苗字です。苗字をキャラの人物造形に合わせてきちんと考えるのもクリエータの力量です。珍しい苗字を使えばいいと言うものではありません。