ぺー さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
4.5畳内で創造される
原作未読
略称がそこそこ知れ渡ってる数少ないやつのひとつ。“ノゲノラ”でございます。
正式名称『ノーゲーム・ノーライフ』。元ネタはおそらくタワレコの名キャッチコピー“NO MUSIC , NO LIFE”からでしょう。音楽文化の発信基地となった元ネタ同様に、時には起こせよムーブメントな佇まいを感じさせる作品となってます。
事前情報から受け取る印象はポジネガ半々。
まずはポジ。あにこれでも人気の高い『宇宙よりも遠い場所』のスタッフが制作にあたってますし、地味に『ちはやふる』監督の浅香さんが絵コンテで参加してたりします。名前買いが可能。
豪華な演者さん各々伝統芸とは違う顔を見せてたり ※あくまで私の視聴済作品との兼ね合いで以下
・白(CV茅野愛衣):1オクターブ高い“あのはな:めんま”的な発声
・ステファニー(CV日笠陽子):1オクターブ高いコメディエンヌを好演。“けいおん:澪”的な発声
→いわゆる出世作以降鳴りを潜めている懐かしのメロディ再びって感じ
・クラミー(CV井口裕香):ドタバタ娘イメージ強かったのでこれはなかなか
・フィール(CV能登麻美子):これも1オクターブ高めのエルフ娘を熱演。今のとこ井口さん以外キー高い
・初瀬いづな(CV沢城みゆき):なぬ!?沢城さんが電波ソング唄ってる{netabare}※第11話エンディング{/netabare}
・テト(CV釘宮理恵):もう2000年代の顔ですね。唯一神!
日笠さん、能登さん、沢城さん、と大人のイメージ強い私には新鮮に映る配置でございました。そんな声優さん含めた制作陣と巷の高評価から期待してOK。が過剰な期待は禁物。
ということでネガ。“異世界転送(転生じゃないよ)”“陰キャが主役”と足を引っ張るワードがちらほら。主役兄妹の紹介がこちら↓
空(そら) 童貞、コミュ障、ニート、ゲーム廃人 18才
白(しろ) 不登校、コミュ障、ヒキコモリ、ゲーム廃人 11才
なんでヒキコニート主役作品にネガイメージ持つのかって彼ら彼女らのもつパブリックイメージの悪さだけが理由じゃないと思うんですよね。
謎の万能感
大人しくしてりゃいいのに努力はしないがハイスペックが前提で、俺の掌で踊る愚民どもみたいなスタンス&俺と違う考えをするやつは雑魚みたいなキャラ設定がそこそこあって。リアルにリアルがクソゲーな自宅警備員に勇気を与えそうなところが嫌な私。リアル白銀高輪の硫酸事件もアニオタがリア充爆発しろを実践してみた!な事案でしょうに。被害者の方が気の毒で仕方ない。
そんなイラっとくる作品ばかりなのでこれまで避けてました。今回は地上波再放送きっかけです。
内容はわりとまともでした。大半の善良!?なヒキコニートくんのお話ではなく、よくある無条件ハイスペックなヒキコニートくんとも違って、おそらく全ヒキコニートのうち0.1%未満いるかどうかの超有能なヒキコニートくんの部類だなぁと思えるややこしげな立ち位置だったかと思います。
現実はクソゲーはいいとして、電脳世界も二次元も現実の人たちが汗水垂らして作ってるのにね。
そして本編。おとろしくゲームが強い未成年が「だったらこちらへ!」と交渉・荒事すべてゲームの勝敗で決着する世界へ飛ばされちゃって発奮するお話です。
おそらく皆さんにもおありでしょうけど、巷ではそこそこ評価高いのに食指動かないやつってありますでしょ?たぶん相性悪いだろうなぁと予感のするやつ。
結果はそんな感じでした。ただそれだとレビューとしてはお粗末なんでまとめます。
1.声優さんの「へーこんなんやるんだ」が心地いい
2.あー最強ニートね…ご苦労様でーす
3.エフェクトは無駄に楽しい
4.後付け理屈の頭脳戦 ただし清々しいまでのドヤ
5.物語は退屈 ひたすら戦ってる感じで終了
やっぱり1クールで12話にもなるんで物語の起伏に乏しいと厳しいもんがあります。別のとこで波を起こして完走できましたが、平たく言うと
演出だけを楽しむ
作品でした。正直なところ随所に先述の“謎の万能感”漂わせてるため鼻につきます。低評価と見做す場合はここがひっかかってくるのかも。
さはさりながら後付け理屈やご都合展開を愚痴るまでには至らず。これが仮にロジック甘い上に演出が安っぽかったら、文句たれてたかもしれませんがそうではない。力技を見せられても丁寧な仕事してると感じられるためニコニコしながら「んなわけあるかーい」となるのです。
なんだろう評価が難しい。声優・作画・音楽が良いためあにこれ方式だと点数高めになりがちだが実際はそれほどでもない強いて言うなら力みが凄い並アニメ。
※雑感
インターハイ出場経験のあるアニメーター
甲子園に出たことのあるラノベ作家
元プロスポーツ選手が漫画家デビュー
経験しときゃいいって単純な話じゃないけど人間は自身の想像力以上のものは出せませんからね。
別にサッカー部や野球部でそこそこ学校でも人気があっていや人気がなくても知名度はあってついでに彼女もいるんだけどゲーム好きなやつが異世界飛ばされたって物語作れるでしょうに。
社会人もゲーム会社やIT企業ではないビール会社の営業をたまに飛ばしてみたらいかがかしら?
アニメ観てると世界の学生9割は人づきあいが苦手でクラスでも浮いていて異性との交際経験もなくゲームかアニメが必修教養とされているのよね。
キャラクターの可能性を狭めているようにしか思えないんですよ。せっかく作品数多いのにお作法に縛られてるんじゃないかしら。周りはどうか知りませんが私は飽きてきましたね。
視聴時期:2021年7月~9月 地上波再放送
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2021.09.26 初稿