とらお さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
ジャンプメソッドを覆す令和世代
少年漫画をはじめラノベやなろう作品のほとんどは、
危機に瀕している人がいると割り込んでおせっかいする主人公です
友情努力勝利を標ぼうする少年ジャンプではもう様式美になっているので困窮者を見捨てる選択肢はない
そのジャンプ三原則を意識していない作家が藤本タツキさんでしょう
他作品で悪ぶってる主人公も困ってる人がいたら『これは助ける』とわかりきって見ますね?
ところがデンジは困窮者を気にしない人物像です
デンジは自分にとって価値がある・後で怒られる不利益がある
この価値観で人命救助と悪魔退治をします
こういう人間性を持たせた主人公は「ベルセルク」や「ヴィンラントサガ」といった青年漫画にしかいません
ジャンプイズムを気が付かないうちに刷り込まれる日本人にとってデンジは稀有な主人公なのです
つーか大正義なジャンプ様の歴代の主人公に反転してることが稀有ですよ
秋田で十代の多感な時期に東日本大震災を体験した令和世代は崩壊を直に感じた世代なようです
困っている人が~という個人にフォーカスされる前に、
唐突に平等に人々は失われていくことを見てしまったんですね
大人になって震災を体験した自分は亡くなられた同級生はしらない大人の被災者という感覚ですが、
同じ学生が亡くなっていった体験をした藤本さんは違う感触があるのでしょう
今の世代はおじさんらとの世代間の壁が決定的に違うのかもしれません
アニメは実写に寄せて作っているらしいですがチェンソーマン初披露のシーンがショボかった
ゾンビにモグモグタイムされた後でバーン!と登場だったけど、記憶に残らないでしょ?
ゾンビ球から生まれる登場シーンの原作を変えすぎじゃないかなあ
実写寄せへの意識が先行してるのかセンスがない初登場はヘタクソだった
成功が約束された作品なだけにもったいない場面が続くかも?と懸念しています