セシウス さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
前半は良かったのに…
原作ラノベは未読です。
20世紀前半くらいの架空の大陸にある国(ドイツに似てる)が舞台です。終戦直後で人々は日常を取り戻しはじめたばかりです。兵器として育てられた天涯孤独の主人公が、代筆業を通じて関わった人々と触れ合いながら普通の人間としての生き方を学んでいく、というストーリーです。
前半は、家族や恋人を想う人の気持ちがわからない主人公が、相手にあきれられながらも真摯に仕事に取り組んだ結果、相手の心を癒して立ち直らせていく、という流れがとても良かったです。
それが中盤以降主人公の感情が急激に発達して、嘆き悲しむ相手に共感して一緒に取り乱すようになってしまい、一気につまらなくなっていきます。後半はただ登場人物たちがみんなで泣いているだけという印象でした。
キャラクターについては、主人公を中心としたお話なので主人公以外のキャラの印象は薄いです。主人公も前述の通り最後には普通の泣き虫少女になってしまうのであまり魅力を感じませんでした。声優さん達はとても上手だったと思います。
作画は素晴らしいです。背景・人物・戦闘シーンいずれも全く手抜きを感じさせない高クオリティでした。音楽も全般的に良かったですが、EDの違和感と不快指数が異常に高かったです。なぜあんなEDにしたのか。Cパートがなくてスキップできるのが救いでした。
過去のヨーロッパを感じさせる世界観と美麗な絵が好きな人にはオススメの作品です。ストーリー重視派には「中の上」くらいの作品でしょうか。
全く余談ですが「ヴァイオレット」は日本アニメの主人公の名前には不向きだと思いました。「ヴァイオレット!」「ヴァイオレットちゃん」って声優さんたちがちょっとつらそうに感じましたw 小説は声に出す必要がないからいいけどアニメ化するなら普段は「ヴィー」とかにすれば良いのに、などと思いましたw