Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
誰もが知るあの"童話"には続きがあった
この作品の原作は未読です。
原作には本編とリメイク版があるようですが、アニメはリメイク版が基になっているとのことです。
原作者はクール教信者先生。
なんと、「小林さんちのメイドラゴン」、「小森さんは断れない!」や「旦那が何を言っているかわからない件」などを輩出されているのだそうです。
この作品と「小林さんちのメイドラゴン」に繋がりがあるなんて思いもよりませんでしたが、同時に嬉しさも感じていたり…
昔々のお話です。
ある所におじいさんとおばあさんがおりました。
おじいさんは山へ芝刈りに
おばあさんは川へ洗濯に――(中略)
ついには鬼を退治しましたが、
外国にも鬼がいるようなので…
桃太郎は海を渡りました。
すごいのは倒したこと
喜ぶべきは救ったこと
ただ一つ…駄目だったことは…
――楽しんだこと
これはもしもの話だが…
もし流れてきた大きな桃が一つではないとしたら…
日本に流れ着いた桃が複数あるうちの
一つに過ぎないとしたら…
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
まず最初に思ったのは「何で時系列を入れ替えて放送したのだろう」でした。
一応wikiには上田監督からのコメントが掲載されていました。
「原作が未完のためそのままアニメ化すると中途半端に終わってしまうこと、原作第1話をアニメの1話目とするのはリスクがあること」
確かに原作が未完の作品をアニメ化すると、中途半端感が否めない場合がありますが、でもそれが時系列を入れ替える理由になるのでしょうか。
だって、そんな作品は山ほどあるじゃありませんか。
例え中途半端に終わったとしても、作品のクオリティと続編への期待があったら些細な問題じゃないかと思うんですけれど…
原作第1話をアニメの1話目にするリスクについては皆目見当がつかないですね…
一番大切なのは、作品の内容と魅力を視聴者に正しく伝えることではないのでしょうか。
物語が未完なら時系列の入れ替え…或いは何をしても中途半端感は残ると思いますし、入れ替えても中途半端感が解消されるわけでは無いと思います。
寧ろ、展開がコロコロ変わって物語についていくのが大変だったという印象です。
そこで、dアニメストアでは時系列版が配信されていたので、改めて視聴してみました。
結果的に監督の心配は杞憂だったのではないでしょうか。
内容と展開が分かりやすく、これまで繋がっていなかった線が色々繋がった気がしました。
一応オンエア版と時系列版の各話リストを記載しておきますね。
【オンエア版】
第01話:元姫と卯人
第02話:鬼と人間
第03話:サリーと岐路
第04話:姫と桃
第05話:フラウと吸血鬼
第06話:キャロットとミリア
第07話:種族と居場所
第08話:仲間と仲間
第09話:ミコトとミコト
第10話:戦禍と恨み
第11話:理想と現実
第12話:決意と別れ
【時系列版】
第01話:姫と桃
第02話:元姫と卯人
第03話:鬼と人間
第04話:種族と居場所
第05話:理想と現実
第06話:決意と別れ
第07話:フラウと吸血鬼
第08話:キャロットとミリア
第09話:サリーと岐路
第10話:仲間と仲間
第11話:戦禍と恨み
第12話:ミコトとミコト
オンエア版では、サリーが自分の能力が覚醒するのは終盤で、それを受けて旅を続けようとしていましたが、時系列版によると、それらは物語中盤の出来事なんですよね。
鬼とのやり取りにも違和感を感じましたが、時系列でみるとその違和感も干渉されると思います。
オープニングテーマは、Q-MHz feat. 鈴華ゆう子さんによる「Dark spiral journey」
エンディングテーマは、ミテイノハナシさんによる「夜を越える足音」
個人的にはオープニングテーマが好みでした。
1クール全12話の物語でした。
時系列版を見て続きの見たい作品となりました。
この作品が単なる販促作品に留まらないことを願っています。