「ぶらどらぶ VLAD LOVE(TVアニメ動画)」

総合得点
60.5
感想・評価
94
棚に入れた
277
ランキング
5831
★★★☆☆ 3.0 (94)
物語
2.6
作画
3.0
声優
3.2
音楽
3.1
キャラ
2.8

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ネタバレ

7でもない さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

にんにく炒飯と餃子セット、にんにく多め

押井守である。攻殻、パトレイバー、うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーである。彼によるドタバタ萌えコメディが2019年に帰って来た!というわけでこのアニメの見所をさくっと紹介してみたいと思う。それでは行ってみよう!


Ⅰ 映画回4回
{netabare}
 女の子かわいいドタバタコメディアニメで12話ある内、演劇回が1回、映画作り回が個別に3回あるアニメを始めてみた。今期の創作系魂リープアニメ、ぼくたちのリメイクよりも実際の製作実作業をしていたかもしれない。
またこのアニメではやたら映画黎明期のうんちくがでてくる、嫌いじゃないけど。
{/netabare}

Ⅱ 影がうすいメインヒロイン
{netabare}
 主人公マイ・ヴラド・トランシルヴァニアは日高里菜によって非常にかわいらしく繊細に演じられている。番場やその他の登場キャラの多くがそうなったように、思わずメロメロ(死語死語)になってしまった。髪のインテークも懐かしくてかわいい。

だが回が進む程彼女の存在は脇の方へやられ、最終話では最後にラジオ体操するくらいしかでてこない。サクラ先生みたいな血祭 血比呂先生、早見の演じる映画監督の人、その他の人物にDEBANを食われている。

EDアニメーションとその最後のキャラ一覧エンドカード風カットを見てもらえばわかるけど、
https://www.youtube.com/watch?v=wgsH6X0iOGA
血祭 血比呂先生の方が主役みたいだ。彼女は能力、大人の財力と権力、そして何より意志の強さを備え持っているので、話を動かすのに非常に便利なのだろうと思うが、萌えアニメを期待した今のアニメ視聴者が彼女を見てどう思うかは神のみぞ知る。ちなみにこの血祭 血比呂先生、井上喜久子女子が演じるウマ娘の安心沢刺々美と方向性が似てるなあと思った。どっかに元ネタあるんだろうか。
{/netabare}
 
Ⅲ 紙芝居
{netabare}
 12話の内3回くらいはイラスト調のうごかない1枚絵の紙芝居によって話が進む。ねじ式のパロディや映画のパロディをやっているんだろうなとは気づいたけど、さすがに最終話が紙芝居だったのはがっかりだ。
............もしかしたらその分の作画力を1話、フランケン暴れ回、映画回に突っ込んだのかな?
{/netabare}

Ⅳ るーみっく海回
{netabare}
 海回ではいつものメンツが券が当たったから全員で海に行く。豪華なホテルと思いきや、ボロ屋でズコー。部屋ではしゃいでいると、妖怪みたいな女将がでてきて顔面がでかくなり全員ズコー!バンバ「婆さんアップになるな、怖いんだよ!」
みえる、みえるぞ!私にも展開が全部見えるぞ。
{/netabare}
 
Ⅴ カットイン画面構成
{netabare}
ヒロイン6人+男4人の大所帯だからとはいえ、このアニメは画面中にカットインのパネルをずらっと展開してしゃべってるシーンが多かった。人数多いからしょうがない部分もあるのだろうけど、「効率良いな」と思った。
{/netabare}


Ⅵ 実写背景
{netabare}
背景が実写だったり、妙な画像処理がしてあったけど悪くはなかった
妙に東京の夜間のビルの空撮が多かったけど、あれ許可貰ってドローンで撮影したんだろうか。それとも買ったアセットなんだろうか。
{/netabare}

Ⅶ 餃子とにんにく炒飯セット
{netabare}
ヴァンパイアものにつきもののにんにくネタ。「隣の吸血鬼さん」のかわいらしい吸ティ・レディーさん達は銃弾や陽光よりもにんにく臭がとにかく大嫌いでハズマットスーツ(化学防護服)を着たり、ドアの壁裏にしがみついて顔をゆがめさせたりわちゃわちゃ過剰な反応をしてかわいかった。そういえば「東京喰種」では人食いの喰種になると、人間の食べ物は匂いも味を強く感じるようになり、まずくて食べれないという設定だっけ。
 
ではこの作品ではどうにんにくを料理をするかというと。血に飽きたマイ・ヴラド・トランシルヴァニアちゃんはバンバにおねだりして町中華屋に行き、にんにくマシマシ炒飯とにんにく多めの餃子おかわりをかわいらしくニコニコしながらたっぷり堪能する。そしておやくそく道理店の中で喧嘩が勃発し、店はめでたく爆破されるが、そこで昭和のアニメって餃子や炒飯、ラーメンをかきこむシーンがやたら多かったんだなって思い出した。
あれは製作者が相当のラーメン好きだったからだろうか。それとも今の時代はなんかみんな下手にええかっこしいを意識しちゃったり、もしくは時代の流れで自分の好みを作品に反映させなくなってしまったのかもしれない。庵野秀明監督も作品の中で自分の個性はリストの一番最後。まず視聴者がみたいものを、次にスタッフが作れるものや得意なもの、スポンサーの要求、そしてそれらの合間のちょっと隙間にスッと自分を入れる。でも入れた時にうまくいかなくなった場合は消す必要もある、と語っていたし。そうか。実は餃子とアニメ漫画の制作姿勢は繋がってたんだ。たぶん。
 
令和になってもちっちゃなお口にラーメンや餃子を放り込むマイ・ヴラド・トランシルヴァニアちゃんだが、一方令和・平成になったらお上品ぶってニンニクや炒飯をかきこまなくなった奴がこの中に一人いる。お前だよニンニクラーメンチャーシュー抜きを食べないポカ波。(あのアドリブの台詞はファンには愛されているものの、作品から浮いてるからこのループではなかった事にするのは正解な気もするが)
{/netabare}
 
何はともあれ押井守、今後も目を離せない人物である。


 
2021/09

投稿 : 2021/09/23
閲覧 : 174
サンキュー:

7

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