aonisai さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
没入感に欠ける
酷評気味のレビューなのでご容赦ください。
まずいいところから
交通事故が起きてから恒夫が非常に後ろ向きな姿勢になってしまったのが視聴者の視点の転換として非常に面白かったです。それまではずっと健常者の目線で作品世界を眺めていたのが一転して障害者の目線に誘導されました。
そうするとジョゼや舞のかけてくれる言葉も届きません。
これにはリアリティを感じました。
次に悪いところです。
私自身が心情描写が緻密な純文学作家の小説や映像作品を好むのもありますが。それでも全体的にキャラクターの心情描写が浅いと感じざるを得ません。
心情描写が浅いので心情の変化に説得力を感じません。
負けヒロインの言動があまりよくなく、当て馬感があります。
民生委員が悪者っぽく扱われています。私は一般的に行政が単純に悪者として描かれるのは好きではないです。
ただ実際民生委員の言ったような方法でジョゼは夢を追っています。この二重の理由で釈然としないのです。
主人公が理想的な青年として描かれすぎています。他方ジョゼに惹かれていくプロセスは描かれていないように思われます。
このようにキャラクターの設定などに引っかかるところが多かったです。
それゆえキャラクターに感情移入できず、没入感を感じなかったのです。
Eveの曲は申し分ないのに残念に思います。
テーマは障害と将来の目標(夢)です。
後者の掘り下げも浅いように感じます。
全体的にテーマや個人の関係性の掘り下げが浅く、人間ドラマとしてのリアリティもなく、ふわふわした作品になってしまっているように感じました。
後述 原作を読みました。
テーマ自体がまず異なるようです。素晴らしい読後感でした。