Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
永遠の旅がはじまる
この作品の原作は未読です。
NHK制作の作品ということで視聴を期待していましたが、プライベート…というより、仕事の繁忙感が半端無い状況となった上、アサルトリリィのゲームにハマってしまったのも後押しして視聴時間が激減してしまった結果、毎週リアルタイムで追いかけることが出来なくなっていました。
従って、今回は完走後に一気見しましたが、久々に一気見の醍醐味を味わえた気がします。
続きが気になるので毎週リアルタイムで追いかけるのが定石かと思いますが、幾つもの作品を追いかけていると内容を忘れちゃうんですよね…^^;
大抵は続きを見始めると思い出すのですが、中には前の回に遡らないと思い出せない場合もあったり…
でも、一気見すると、前の回を思い出せないことが無いので結果的に時間を有効に使えている気がしました。
フシは最初、地上に投げ込まれた“球”だった。
持っていたのは
「刺激を受けた物の姿へ変化できる能力」と「死んでも再生できる能力」。
球から石、オオカミ、そして少年へと姿を変化させていくが、
赤子のように何も知らぬままさまよう。
やがて出会う人々に生きる術を教えられ温かい感情を知り、
人間を模して成長していくフシ。
宿命の敵・ノッカーとの壮絶な闘い、大切な人との別れ…
痛みに耐えながら自分の生き方を選びとり、力強く生きるフシの永遠の旅を描く。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
主人公であるフシは、最初生き物でもなければ有機物ですらありませんでした。
要したのは途方もなく長い年月と、神懸かり的な確率の出来事…
それらが奇跡的に組み合わされフシという人間の形をした器が出来上がったんです。
器であるフシは文字通り空っぽの存在…
ですが、そこから様々な人との出会いによって少しずつ満たされていく…
そう、これはフシの成長を描いた作品でした。
主人公が成長していく、と言う点においては、どろろ、怪物事変などと近しい感じの作品だと私は思いました。
ですが、この作品の素晴らしいのは主人公に寄り添うキャラのとても魅力的で、その刺激を受けて主人公の変化が如実に感じられる点だと思います。
あ、どろろ、怪物事変に登場するキャラに魅力が無いという訳ではありませんので…^^;
完走して振り返って思うこと…
姿かたちは違えど、私たちの生き様そのものを描いた作品だったのではないでしょうか。
無知の状態で生まれてきて、少しずつ色んなことを学んでいく…
その過程ではたくさんの人との出会いと別れが、人としての成長を促してくれました。
もちろん、辛く痛みを伴う別れを経験したのだって一度や二度じゃありません。
そして振り返って「あの時こうしていれば…」と何度後悔してきたことか…
時には自分が本当に成長したのかが疑わしく思える時もあったり…
でも色んな積み重ねの先に今の自分が存在するのは間違いない事実なんですよね。
だから、フシの様に今の自分も未だ途上なんだと思いたいな…
などと考えながら視聴していました^^;
出演している声優さんですが、観察者役の津田健次郎さんの演技はこの作品の彩りそのものだったので印象深かったと思います。
あとは、役柄も相まっているのは自分でも重々承知しているものの、うっちー、石見舞菜香さん、稲川英里さんの演技には引き込まれました。
個人的には、もう少しなっちゃんに演技に浸っていたかったですけれど…
オープニングテーマは、宇多田ヒカルさんによる「PINK BLOOD」
エンディングテーマは、浜渦正志さんによる「Mediator」
2クール全20話の物語でした。
流石NHKさん制作の作品だけあって見応えありましたし、しっかり感動もさせて貰いました。
こういう真面目の作品は個人的に大好物だということを再認識することができたのも収穫でした。
しかも、第2シリーズが2022年秋より放送予定と発表されたのも嬉しい知らせです。
フシがこれからどんな人生を歩んでいくのか…
どんな人と出会って、どの様に成長していくのか…
楽しみに待っていたいと思います。