かがみ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「ファリック・ガール」からの離脱
あの衝撃的なキャッチコピーが当時はひとり歩きしていた印象もあるが、今振り返ると本作はゼロ年代における戦闘美少女史において大きな転換をもたらした極めて重要な作品であったといえる。従来、戦闘美少女といえば、その多くが精神分析における「少女=ファルス」の等式で表される「ファリック・ガール」の立ち位置にあった。ゼロ年代前期のセカイ系ヒロイン達やゼロ年代中期のセイバー、シャナ、ルイズはそういった意味での伝統的な戦闘美少女の系譜に属している。もっともゼロ年代中期以降、高町なのはや御坂美琴のように「ファリック・ガール」からの離脱を志向する戦闘美少女も少なからず登場した。そして本作の宮藤芳佳を始めとするウィッチ達は「ファリック・ガール」の立ち位置からほぼ完全に離脱する事に成功した戦闘美少女である。ここには後に「魔法少女まどか☆マギカ」や「ラブライブ!」といった2010年代を代表する想像力の潮流へ流れ込んでいくひとつの水源を見る事ができるように思える。