7でもない さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
人は変われる。成長できる。人間ドラマに引き込まれて目を離せない
欠点
{netabare}
この作品は、特に1期は欠点が多い。なのでまずはそれをなるべく拾ってみようと思う。
・アクションの作画がしょぼく迫力が無い
・動物・植物作画が微妙なのはサバイバルものとしては厳しい
・どうやら原作が少女漫画らしく、また感性で描かれていて良くも悪くも絵の振れ幅が激しい。これはジャンル特有の個性だし、別に悪い事ではないが、問題はアニメーターが絵を追えていなくて、普段のかっちりしたアニメ作画に慣れている視聴者だと別人見たくみえ、逸脱感がある。でも、それもあまり重要じゃない。
・始まって数話はサバイバルでゴタゴタするんだけど、展開が雑に高速で展開し混乱する。
・始まって数話はキャラ間の仲が悪くて雰囲気は最悪。あっちこっちでイジメも勃発しているしギスギス。
・何より展開や行動に古の漫画っぽい雑っぽさがあり、えぐみがきつい。冬の隊の演劇の子が鶴の舞を舞いながら凍死する所では何を見せられているのか理解できず困惑した。誰か説明して欲しい。どういう意図か教えて。また地下都市シェルターの口減らしのシーンでは選ばれた処分される人達を眠らせた後に、電車の車両を傾けて巨大なミキサーの中に落としていた。まあ絵としてのショッキングさで演出を選んだんだろうな。またタカシのSEED候補生生育成学校で、アンゴが投獄されるシーン。血肉をそのまま放置され腐るままにしてある腐った穴に投げ込まれるけど、人類の明暗を掛けたエリート戦士をそんな病気になりそうな所にぶち込んでだいじょうばないよって思ったり。2期のサビモンスターで垂直艇のエンジンが止まったりなんかそういう納得できない部分が多いんだよね。
・このアニメはキャラが3人遠景・中遠・近景にいる時に、こまかいブラーのかけわけがしてある。
夜間のテントの中で、焚火のゆらゆらするシーンとかにデフュージョンっぽい効果やその他が2-3重に掛かっている。
遠景の草むらの中の人に埋まっているシーンで強めのブラーがかかっていた。みたいにブラー、デフュージョンフィルター、グローみたいな効果が多様されている。なんだけどシーンによっては目の焦点が合わせづらくなって目がすごく疲れた。そういえば昔、『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』のラティナの顔や髪の生え際付近にかけられたエフェクトで絵の深度がわかりづらくなって目が疲れる事があった。エフェクト自体は悪いとは思わないし、1期のOPやCMなどはセンスが良くて好ましいと思ったし、Fate/UBWその他みたいな画像効果を沢山かけるアニメでも特に問題はなかった。めんどくさいオタクで悪いと思うけどなぜかこのアニメとラティナでは気になった。
あまりに気になったので見ながらいくつか気になるシーンを書き留めた
□ 23話12:45で画面左の肩にブラーがかかっているけど、この演出意図はなんだろう?
□
21話13:05➝13:10の連続する2カット、
23話11:13➝11:18の連続する2カットでは
それぞれ別の深度の効果がかけてあるんだけど、
ここでも目がフォーカスを失って迷子になった
その他
18話22:11
19話01:33、05:50
等メモってある。
{/netabare}
美点
{netabare}
でもその欠点を補い、良作と言えるくらい2期の人間ドラマは濃厚でよかった。タカシのSEED候補生生育成学校でエリートとして育てられたマシーンのアンゴと亮が12話かけて洗脳を自覚し、乗り越え、まともな人間になっていいく姿が気になり1話が体感数分で飛んでいく。やってる展開自体は特別新しい事でもないがキャラの掛け合い、話の流れのコントロール、12話かけて細かくキャラ達の心の交流を丁寧にそして上手に重ねていき最後にはキャラ達が愛しく思えてくる。どうやらこの作者はサバイバル部分よりはこういうキャラ同士の交流を描くのが得意みたいだ。この作者ならアイドルでもスポーツでもミステリーでも歴史ものでも、どのジャンルでもキャラ交流中心に楽しく描けるかもしれない。
各キャラが強み弱みがあり、また相手によって苦手だったり好きだったりする。それが会話を重ねる事でお互いの距離間が変わり、また本人もどんどん変わっていく。
個人的にサブカル作品でキャラの成長の話題が出る度にキャラの成長に対して懐疑的だったけど、この作品は作者は各キャラが交流し変化する様を上手に描いている。それがこの作品の最大の強みかもしれない。でもやっぱり最低2クールくらいは無いと難しいんじゃないかな。
{/netabare}
初見2021/09