take_0(ゼロ) さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
朴訥とした雰囲気を楽しみましょうよ。
ちょいと、Webニュースや世間様をお騒がせした作品ですね。
だけど、問題作と言う訳ではありませんな。
本当に、世の正義の味方はどこに噛みつき、どこにツッコミを入れ、どこにケチをつけるかわかりませんねぇ。
ま、「これっていいの?」と言う個人の感想、つぶやきが拡散し、同調し、話題を欲している人たちに「待ってました」と取り上げられるのは今の世の常です、ね?マ○ゴミさんたち。
ま、これは仕方がないですがね。
どこで、スクリーニングをかけるのか?
個人の感想、つぶやきを抑えるのはナンセンスです、でも、もう少しクレバーになってみるといいかも。
同調、したいですよね~。同じ意見だと嬉しいですもんね~、安心ですよね~。人と違うと不安ですもんね~、でも、もう少し賢くなるといいかも。
ネタを探している人たち、ネタ欲しいですもんね~、火つけたいもんね~、世間に問題や情報を提起する(っぽいお仕事)事は大切ですもんね~、でも、世間の○カにばかり訴求するようなやり方はどうでしょうね~、もう少し人を○カにするのはやめましょうか。
と、こんな書き方しかできない私も賢くはないのですが・・・。
もう少し、落ち着いて、楽しむべきものは楽しみ、本当に文句を言うところには文句が言える「賢い」人になりたいものです。
リアル路線の作品にイチイチ、あそこが、ここがと言ってしまえば、銀行強盗が逃走する際にきちんとシートベルトを着けなおすような作品ばかりになってしまいますよw。
どんな、名作であれ作者、表現者の思想、信条(心情)を表現するために過剰な表現、オーバーな表現は含まれているものです。
写実主義の画家の絵に、実際の風景にある木が1本なかった・・・「これは・・・!」と○カがいきり立つ。
どんな写実であれ、画家の目を通し、表現された段階でそれは「画家の心象風景」となっているという「事実」を知っていれば、そんな馬鹿な指摘はしない、逆に「何故、この画家はこの木を描かなかったのか?」という心象に切り込んでいく思考の旅の入口に立つことが出来る。
こういう機会を失うのはもったいない。
さて、相も変わらず、いらない事を書き連ねてしまいました。
この作品、他の方も言っておられるように、主人公の小熊ちゃんの心の変化に従い、色合いが変化していくのが印象的でした。
序盤の「両親もいない、お金もない、友達もいない」雰囲気にちょっとした不遇感が漂ってくるのですが(ま、決めつけは良くないですがね、~だから不幸だという決めつけはね)、本当に色がない生活と言うか、地味で質素な生活感は本人が1人語りをしているので、そうなんでしょう。
これが、俗に言うカブとの出会いで変化していくわけです。
さて、小熊ちゃんの境遇にちょっと興味が湧いてしまった訳なんですが、ここら辺については、あまり深掘りはありませんでした。
ま、ゲスのかんぐり程度の興味なので、深掘りのなさに文句がある訳ではないです。
余談ですが、私もね。
今は昔、大学へ言っていた時、最初の一年は自転車でしたね。
他県の大学へ行ったのですが、ちょっとした山手の方にある大学で独り暮らしを始めた矢先、通学、買い物、遊びに行くにも自転車で大変苦労をしました。
周囲の友人が、車に乗ったり、バイクに乗ったりしているのが本当に羨ましかったですねぇ。
少々、自分がみじめに思えるタイミングもありました、正直ね。
そこから、免許を取って、原チャリを買いました(正確にはお金貰ったので、買ってもらったのですがね)、買った当日にカーブをイキって全速で曲がり、こけたのはいい思い出です(遠い目・・・)、初日から相棒を傷モノにしたショックときたら・・・・。
なので、小熊ちゃんの相棒を見て「ムフッ」ってにやけちゃうところ、ようくわかったりします。
本当に、一瞬の無敵感ときたら、すさまじかったですもんねぇ。
今振り返ってみれば、諸々の思い出とともに懐かしく、楽しかったことを思い出します。
ああ、また無駄話をしてしまった。
さて、この小熊ちゃん、カブのきっかけで礼子と言うお友達が出来ました。
やっぱり、このカブ所有をきっかけに、気持ちを含めて色々と変化が起きてきたのは間違いないですね。
ちょっと、自信と積極性、自尊心も復活してきたように思いました。
カブがバカにされるとイヤみたいな、これもカブきっかけですね。
本当に人生振り返ってみると、こういうきっかけってあるものです。
多くの場合は人きっかけなのでしょうが、それが、モノであったり、作品であったり、本であったり、アニメだったり、なんなら、そこらへんの落書きの場合もあります。
とにかく、人が前向きに変化するところを見るっていうのは、元気になりますよね(逆の場合もあるかもですが)。
小熊ちゃんの場合は、それがカブだったと。
物語は、小熊ちゃんの朴訥とした語りと表情がメインで進んでいくので、独特の落ち着いた、そして少し冷めた感じで進んでいきます。
そこに登場したカブ仲間の礼子、この娘も生粋のカブ好きで、カブ愛が伝わってきます。
この二人の関係も、ベッタベタな感じではなく、少しドライででも信頼している感があり、私は好きでした。
もう一人、恵庭椎という娘も友人として登場してくるのですが、この娘とのふれあいの中で、小熊ちゃんは自身が椎に憧れていた事を思い出し(気づき)ます。こういう「気づき」もいわゆる青春時期には大切な事なのですが、実際は気づかないんですよねぇ、なかなか。
自身が最強で、自身が何でもできると思っている時期ですからねぇ、この時期は。
でも、小熊ちゃんは気づきました。
これは、自身を客観視できるようになったことの正座でしょう、余裕が出来たと言ってもいいかもしれません。
これって、大切な事です。
そして、最終盤に新たなカブ仲間になるであろう、恵庭椎がカブをGETしたところで物語は終了でした。
今後の3人の展開も気になるところです。
作画は特段良いと評価できるものではないかもしれませんが、特徴的な色の変化、朴訥とした雰囲気、そして季節の移り変わりで、最終盤での冬→春を強調する意図を考えれば、この落ち着いた作画は理解できます。
あくまでも、全体的な雰囲気を考えて落ち着かせていると受け止めました。
また、効果的だったと思います。
声優さんは、特に違和感は感じなかったですね。
良かったと思います。
ああ、椎ちゃんのお母さんは少々、違和感があったかもw
音楽は、そうですねぇ。
よく合っていたと思いますよ、やっぱりちょっと落ち着きがあって。
華は無かったかもですが。
キャラは、実はメインキャラってたった3人なんですよねぇ。
これも、わちゃわちゃせずに、落ち着いた雰囲気になった原因かもしれませんね。
ああ、もう一人上げるとすれば「カブ」なんでしょうねぇ。
何にもしゃべらんけど、常に物語の中心にはいたから。
作品としては、地味な女子学生さんがカブに出合ってからのワンシーンを切り取ったほんの短い時間、青春のワンカットを切り取った感じですが、これが、長く続くバイクとのかかわりや友人とのかかわりを暗示させるには十分な効果を出しています。
今後も観たいような、観たくないような的な余韻もあります。
ゆるキャン△のように、華やかな感じではなく、さらにニッチなジャンルでもある事は事実でしょうが、バイク乗りの連帯感は独特のモノがありますしね。
はまる人にはきっとハマるでしょう。
また、カブってところがシブいというか、手が届きやすいというか。
いや、巷で言われる最強伝説、
曰く、車なら軽トラ最強!バイクならカブ最強!!
田舎の農家なら、体感しているポイントでしょうw
実際のところは、それほど、何かが残ると言う訳でもなく、
ワンクールアニメとしては、その場で楽しむというスタイルでしかない(現状は)と思いますが、楽しめました。
でも、「誰か」の新しい扉を開くきっかけにはなり得るアニメかもしれません。
観てみる価値はあると思います。
余裕のある時にでも、是非。
あなたも、カブに乗ってみたくなるかも知れません。
・・・実は、私ももう一度、原チャリが欲しいと思っているんですよう、最近。